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トップ > テロとの戦い > テロとの戦い - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2009年1月5日 4時)

法人税引き下げ議論について

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
お正月に国営放送で、経済に関する討論番組が行われていました。その中で、竹中氏が日本は法人税が高すぎる、企業は海外に逃げてしまう、と熱弁を振るっていました。以前も述べましたが、日本の法人税が先進国で割高なのはその通りですが、といって企業が海外流出するか、というとそれは大きな間違いです。そしてこの意見の中に、日本の抱える最大の問題点が含まれています。

まず世界が法人税を引き下げられたのは、それに見合う経済成長、『小さな政府』に基づく政府支出の縮小が前提となっています。逆に言えば、その前提条件が崩れると、税収減を伴うこうした政策を打ち出せないのです。世界各国は現状、金融危機を迎えて政府支援を進める、いわゆる『大きな政府』に移行しつつあります。そしてこれは、経済不安が続く限り世界の趨勢となります。
この時、先の前提条件が崩れるために各国は税収不足に陥ります。それを補う術は増税か、赤字国債です。米国は後者を模索していますが、限度もあるのでいずれ増税に舵を切らざるを得ません。各州ごとでは、すでに税収不足を増税で補おうとする動きもあり、いずれ国税としての法人税率も議論されることになります。つまり危機の深度、期間により、各国の法人税率も今後どうなるか分からないことになるのです。

企業の側からは各国の治安、為替、税制の変更などのリスクをどう捉えるのか、によって工場移転は議論されることになります。一方、政治の側からは『大きな政府』をどう捉えるのか、によって法人税率は変わってきます。つまり政策の優先度として、表層的な数字を諸外国に合わせることを優先すると、背後にある政府機能が縮減していない日本では、その後に増税という厳しい現実しか示せないことになるのです。
政府が先に歳出を見直し、法人税に言及するなら問題ありませんが、小さな政府を実現していない日本が、この次期に減税などの施策を打ち出すことがどれだけ危険か、少し考えれば分かります。この国の政策決定過程で圧倒的に不足しているもの、それは政策の効果、影響を議論する前に、まず政策の優先度を決めずに他者を真似ていればそれで良い、として他の議論を封殺してしまうところにあります。郵政民営化も同様ですが、先にやるべきことをやらずに実行してしまうと、国債購入者を探さなければならない今のようになるのです。

物真似は日本の得意芸ですが、政策の場合は特にその背景を探らないと、後でその歪が恐ろしい事態を引き起こします。2009年も始まったばかりですが、将来を見据えてこの国の有り様を考えていくことが大事です。日本には長い間失敗を繰り返したツケで、財政が危機的状態にある中で経済不安を抱え、再度の失敗を許容できるだけの余裕はあまり残されていないのですからね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2009年1月4日 21時59分

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来年の政治について

イスラエルがガザに空爆を行っています。イスラエル国内で政権が弱体化し、強硬派を取り込むための行動だ、米国の政権移譲期の空白を狙った行動だ、など色々と推測もありますが、私は背後でイスラエルと米国の密約により為された空爆ではないか、と考えています。
原油価格が下がり、一部ではそれを好感する向きもありますが、下がり過ぎればオイルマネーの流れが変わりますし、資源価格の下落によるデフレ圧力も高まります。インフレ誘導したい米国にとって、一時的にしろ地政学的リスクを高め、新米国である産油国のサウジ支援のためにも、イスラエルの行動を容認したと見ています。犠牲になったパレスチナ人の悲嘆、憎悪、ある国の事情で引き起こされた事件が、一方で悲劇を生むことを早く世界は気付くべきなのでしょうね。

来年の政治の動きを考えてみます。恐らく麻生政権が来春以降まで解散を先延ばしした場合、自民党は150議席割れ、下手をすれば100議席そこそこという事態が発生するでしょう。小選挙区制の一票の差とは、かくの如き重いものであり、不人気党首の下での選挙は戦い難くなっています。
一部で誤解がありますが、後期高齢者医療制度は高齢者負担が増えるだけでなく、国民全体の負担率が上がる制度です。これは財政規律を守るため、国だけが支出を減らそうとする制度です。高齢者に甘く、若年者に厳しい社会、ということではなく、今の国が目指す方向性は、国庫負担分を如何にして減らすか、増える分はどうやって増税などの税収増で補うか、です。

これは昨日の介護報酬にも絡む話ですが、国が社会保障費の自然増を抑えるため、2200億円の削減枠を設けてきました。この自然増に問題がある、というのが国の認識ですが、増えるということは成長産業に育つ可能性を秘めている、ということです。でも国がそれを問題視するのは、一般予算の枠組みが省庁の概算要求で決まるからです。つまり各省庁には決められた枠があり、一省の予算枠が増えると省庁間の力関係に影響するからであり、霞ヶ関内の問題ともなるからです。
なので、今回の来年度予算案と2次補正を提出し、それが国民に支持されることはありません。上記内容に改善点は見られないからです。更に麻生氏が政策や方針をぶち上げても二転三転するのは、省庁との信頼関係がなく、誰も汗をかく人がいないためでもあります。省庁を使いこなせない、省益を国益に変えることもできない、これで支持率が上がるはずもありません。

前回の郵政解散で小選挙区制の利を得た自民党、刺客や落下傘などでメディアを煽り、自民党内抗争の構図を作り上げることで大勝利を収めました。しかし今回、それをすれば党は分裂しますので、禁断の手を使うこともできません。ホテル通いに始まり、国民意識との乖離が指摘される麻生氏ですが、自民党総裁選を出来レースとし、スタートダッシュに失敗した与党の考え方自体が、すでに国民からズレていたのかもしれませんね。
明日から1月3日までお休みして、新年4日から再開したいと思います。皆さん、良い年をお迎え下さいね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月29日 23時9分

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介護報酬の引き上げについて

来年度の介護報酬引き上げが決まりました。社会保障審議会が全体で3%、また都市部の物価の高さに合わせて人件費が高く、報酬単価を引き上げているのと、負担の大きい業務などに報酬を上げるなどの対策をとっています。この改訂に伴い、利用者の負担増になりますが、負担軽減のために税金も投入される見込みとなっています。
ただ介護は体力のいる仕事であり、離職率の高い職種でもあります。また点数制でもあるため、必要な介護が出来ているのか、でも手を貸せば利用者の負担にも繋がることになり、安易に介助の手を差し延べても良いのか。介護労働者はそうしたジレンマを抱えていると聞きます。

介護でも、看護でも同様ですが、需要があるのですから、通常の経済システムであれば供給側はもっと活況となるはずです。しかしそれを抑える仕組みが、点数制であったり、介護報酬のこうした取り決めです。医療のように長い歴史のある組織であれば、仮に点数制であっても収益を上げるよう政治を動かせますが、介護は組織力が弱いためそこまでの政治力がありません。
今回の見直しでも、3%であれば大した効果は期待できません。しかし日本は未曾有の雇用危機を迎えており、高齢化社会を迎えてもっとも需要のある職種、それが介護でもあったわけです。そこを仕組みで抑え、外国人労働者を雇い入れて、税金を投入までして、日本人並みの待遇を約束しています。将来、免許をとることが条件ですが、日本人でさえ難しい試験を、働きながら、日本語の勉強をして、ということでまず外国人労働者の免許取得は無理だろうと言われる中です。

税金の使い道として雇用対策をとるのであれば、確かに住宅支援やハローワークの充実などもあるでしょう。ただ、そうしなくても雇用を増やせる対策は幾つもあるのです。安定した生活を営むための、待遇を良くするための施策、日本で足りない政策の考え方でもあります。
石破農相が減反の見直しを示唆していますが、農業の分野も雇用対策の一助になります。エタノール燃料のための米作り、輸出することで得られる外貨で補助金を出す、などの対策をとって農業への就労人口を増やせば、それも雇用を増やすことに繋がるのです。

雇用が増え、給与が増えれば所得税が増えます。政治は介護保険の支出ばかりに目を向け、税収の拡大には目を向けずに来ました。それが日本の低成長、内需の縮小を促してきた、ということにそろそろ気がつくべきです。自宅介護になれば、就労可能な労働力を家に縛り付けることに繋がり、その分の税収が減ることになるのです。そこが産業として、介護労働者が行えばその分の賃金と消費、税収増という形になるのは明白なのです。
来年の雇用対策、見かけのものばかりではなく、こうした職種全体における就労環境を整える、という形で進むべきなのでしょう。定額給付金で消費喚起、という前に税金の使い道として考えるべきことが山ほどあります。それが出来たときに、初めて未曾有の経済危機に対して日本が一番に回復する、という夢想を現実とできるのだということなのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月28日 23時8分

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来年の経済について考える

昨日、11月の鉱工業生産指数が発表されました。前月より8.1%の低下であり、市場予測を越えて下げ幅は過去最大となっています。指数そのものの落ち込みもそうですが、今回の発表で重要なのは、急速に高まった在庫の問題です。これまで、今回の景気後退期が早期に巡航速度、つまり回復するという理由の一つに挙げられていたのが、今回の後退期は在庫増加による生産調整が起きていないことでした。その理由がこの鉱工業生産で覆され、明確となったことで、本格的な不況入りを意識せざるを得なくなったことになります。

まだ在庫全体は増えていないものの、上昇率は崖を這い上がる勢いであり、これまでの景気後退期にも見られなかったほどのペースです。12月も上昇を維持すると見られ、在庫拡大と同時に生産調整がおき、現在の工場の生産停止、派遣切りなどの雇用問題が起きていることになります。
日本はトヨタのカンバン方式に代表されるように、余分な在庫を持たないことで、無駄な出費を抑えています。2000年以降のいざなぎ越えの景気拡大の間、日本はこの方式で在庫と生産の関係を維持、継続してきたのです。しかしそれが急速に崩れた背景には、この方式は消費が順調に拡大していくときには有効でも、急変動には対応が利かないことがあげられます。

今年、年初から原油を初めとした資源価格が急騰、年半ばが最高値でした。企業も資源獲得のために、先物を駆使してヘッジしようと努めていますが、必要量しか調達しない形ですから、価格変動には対応できていません。一方で今は資源価格が大きく下落していますが、生産量が低下しているのでそれを生かしきれていません。
JFEが一部、高炉を停止しました。炉を一度止めるとスラグや組成が変化してしまう可能性があり、本来行いたくないことです。円高でもあり、資源価格も低いのですから輸入国である日本は、将来資源が高くなる見通しであれば、この時期資源を溜めておいても戦略上の間違いはないことになります。ですがこの生産方式を続ける以上、日本は海外動向に常に振り回されるだけ、ということになるのかもしれません。

在庫拡大による生産調整が一度起きると、消費を更に圧迫する要因ですので、本来企業も行いたくはありません。しかしそれが起きている、という現状は企業からも緊迫感が伝わります。今回の鉱工業生産指数が示す内容は、それほど日本経済にとっても深刻だということです。
最近、来年の経済予測も複数の機関から出ていますが、この生産調整に言及していないものに関しては、探求不足といえるのでしょう。世界で雇用不安が起きるということは、在庫拡大と生産調整が連鎖して起きることを示しており、来年の経済観測にこの部分の深化度合いが大きく影響してくることになるはずです。雇用と資源価格の変動、来年の経済を考える上でも、とても重要なことになってくるのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月27日 23時21分

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雑感、08年の事件について考える

今年も色々な事件がありました。厚生事務次官襲撃事件の小泉被告が、34年前の犬の敵討ちという供述、動機が不可解だとして、精神鑑定を受けるそうです。犯罪までの精神状態を解明するために、鑑定を受けさせることは良いことですが、これは責任能力の判断とは別の問題です。
例えば高校の新学習指導要領が文科省より発表されましたが、この基本は脱ゆとりです。これまでのゆとり教育の功罪の内、功の部分について言えば個性の尊重があります。これを昨今の犯罪における不可解と感じる部分に当てはめれば、それは個性と捉えることも出来ます。犯罪者が誰にでも分かり易く、万人に理解可能な動機で犯罪行為に手を染めると考えるのは間違いで、画一的な物事の捉え方をしていない、それも立派な個性なのです。それが犯罪に結び付くか、個性を生かして立派な仕事をするか、その違いを意識する必要があるのでしょう。

腐敗水を点滴に注入した事件では、ミュンヒハウゼン症候群では?との疑いがもたれています。この精神疾患では、一部で幼児が親の関心を惹きたいために、痛くもないのに痛がってみせる行動などとの類似が指摘されています。病弱な子供を甲斐甲斐しく看護する母親、周囲も思わず好感してしまいますが、良い母親を演じるための自作自演との見分けはつき難いものです。
昨今は周りの人との関係が希薄になる中、良い母親との評価は得難い、格別のものでもあるのでしょう。ただ母親の犠牲になる子供は、自分を引き立てるための脇役の座に追いやっており、そこに母性は感じられません。これが厄介なのは、事実が証明されても子供にとっては良き母親であり続けるということです。病気の回復とともに、心のケアも必要であり、子供には重い十字架になってしまうのでしょうね。

最後に、秋葉原通り魔事件の加藤被告も、破滅型の典型的な論理が破綻した犯罪でした。孤立感と自虐性、それでいて自分が特別な存在になるという願望、世の中が刹那的、閉塞的になる傾向の中で、こうした犯罪は増える傾向にあるのかもしれません。残念なことは、世界経済が混迷を深める中で、社会の側からこうした犯罪を抑止する効果が導き出し難いという点です。
来年は自殺も増えるでしょう。そして自分を傷つけることが出来ない者は、他者を傷つけて自分を輝かせようとするのかもしれません。新学習指導要領でも道徳を説いていますが、個性をもつことは決して悪いことではありません。でもそこに依拠し、個性を優先させて社会との調和を乱すようなことを、悪として捉え直すことも必要なのでしょう。年末を迎え、来年のことを考えるとき、今よりほんの少しでも良いので、良い社会になることを祈りたいですね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月26日 23時8分

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07年GDPが先進7カ国中最低に

今日はクリスマスですね。サンタクロースは聖ニコラウスを読み替えたもの、というのは有名な話ですが、ニコラウスはギリシャ語起源の名前で、Nike+laosで勝利の人々という意味になります。今の赤い衣装に白髭というスタイルは、かつてのニューアムステルダム、今のニューヨークに移民したオランダ人が作り出したもの、と言われています。
今年は米国のクリスマス商戦も不調のようです。昨年より1週間程度短く、今年の商戦には懸念が漂っていたものの、実際も経済環境の通り消費が進まなかったようです。日本では親子、恋人の間ぐらいしか贈り物のやりとりをしませんが、友人にまで贈り物をする米国で、その消費を鈍化させているのですから、やはり今回は未曾有の危機ということがいえるのでしょう。

そんな中、内閣府が07年の国民1人辺りの名目国内総生産(GDP)が34,326$となり、主要7カ国中最低、OECD加盟の30カ国中19位と発表しました。日本が世界に占める割合は8.1%と、寄与率の低下が目立つ内容であり、日本の低成長と円安により過去最低を更新する事態となっています。
いざなぎ越えの景気拡大期にも関わらず、こうした事態となったことを政治がどう捉えるか?ということはとても重要です。現在の世界経済はクレジット・シュリンク。つまり信用が毀損したことにより金融が真っ先に打撃を受け、今は企業の社債発行などの資金調達策が失われ、設備投資やM&Aも行えない事態です。そして個人もローン申請の厳格化が進み、世界は資金需要の停滞が起きています。

日本は当初、痛みが少ないと自慢していましたが、第2、第3段階まで来るとそうも言えなくなりました。日本では金融部門が育たず、それに伴う低成長に甘んじたことが良かったのか、悪かったのか、それを正しく評価し、後世の糧としてこそ未曾有の危機への対策を考える上でも大事なのです。政治はすぐに自らの対策が正しい、として検証を放棄してしまいがちですが、今この時に同時進行で研究を進めておくことが大事となるのでしょうね。
特に来年はマイナス成長が多くの研究機関から指摘されています。先進国が総じてマイナス成長に陥ったとき、世界経済に与える影響については、恐らく世界恐慌以来初めてのことであり、研究対象としても非常に魅力的な内容です。日本はシステム構築などの空想力が乏しい、といわれますが、分析にかけては一日の長もあります。

日本が来年、経済をいち早く回復させるという筋書きは、外需依存体質から抜け出せない限りほぼ不可能です。しかし新しい国の形、経済の形を見つけるために、今から準備しておくことはやぶさかでないでしょう。来年は忍耐をしつつ、飛躍に備える年、そうしていかなければいけないのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月25日 23時10分

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雑感、予算案と雇用

麻生首相が官邸で、平成21年度予算案と2次補正予算案を説明しました。生活防衛のための大胆な実行予算、と位置付け、1次補正、2次補正と3段ロケットの対応だと述べています。しかし発射は来年度であり、秒読みにすら入っていない段階で何を期待しろと言うのか?しかも仮に打ち上げられても、このロケットには推進力が足りないことが明白であり、計画段階から失敗が囁かれます。

元々、会計年度が3月で切り替わるのは、江戸時代に旧暦の3月5日に年度始めとしたことに由来します。つまり年貢の米を蔵に入れるのに、旧暦の3月を過ぎると質が落ちるとの指摘があり、江戸初期にそう取り決められました。その後、明治になって旧暦の3月5日を現行の3月31日と直し、それが現代にも通用しているのです。
同じように年季奉公人の契約も3月31日に切り替えるよう、江戸時代に取り決められました。商人は年季を入れた奉公人を守り、奉公人は出世すると番頭となり、優秀であれば暖簾わけや商家の娘を娶って後を継げるなどの道が残されました。働く者が実力次第で出世できる仕組み、そうしたものが最初からあれば社員にやる気が出ますし、また商家では跡取りを男系相続ではなく、女系相続としたのは優秀な人材を得て家を繁栄させるための方策でもあったのです。

簡単に派遣社員を解雇するような企業は、後にしっぺ返しに合うでしょう。そして政治の問題としては、危機に陥ってから雇用対策として、非正規社員を正規社員に採用すれば100万円、などの対策を出しても遅きに失しています。雇用とは長期の課題であり、非正規社員を評価する仕組みのない、低賃金のまま出世も約束していない企業に、採用を促してもすぐには進まないのです。
麻生氏のいう生活防衛、何が危機で何を防衛しなければならないのか?職業安定所で見せたパフォーマンスにより、国民は麻生氏はそれを理解していないと見ています。危機だから対策を優先、という以前に危機に際して麻生政権で大丈夫なのか?ということをこの予算案、2次補正予算でも示されていません。危機意識があるなら、政治家の給与を3割カットし、それを雇用に回しても良いでしょう。

渡辺喜美元行革担当相が衆院解散決議で造反し、賛成票を投じました。麻生氏への怨念とも言われますが、内紛では共倒れになるだけでしょう。来年の政局が忙しくなりそうですが、死に体の麻生政権の超低空飛行がどこまで続くかによって、この行動も正当性を増しそうです。ただ雇用不安がある中で、党内すらまとめ切れない党首が、国を正しい道へ導けるか、それ次第では解散時期も混沌としてくるのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月24日 23時15分

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税制抜本改革で消費税引き上げ明記へ

税制抜本改革の中期プログラム、政府案で自公が合意しました。消費税引き上げを2011年と明記し、前提条件に景気回復を盛り込んでいます。あまりに無責任な決定であり、今回のいざなぎ景気越えの中、国民の肌実感として好景気を享受できたのは1、2年程度だったでしょう。
政府が描く経済の好転と、国民の意識として好景気は現状大きく乖離しています。この原因を、企業が内部留保に努めた、配当を増やして給与を増やさなかった、という理由で語るのは少し本質からずれています。最大の理由は日本が新興国並になることを政財界が目指したということです。

円安であれば通常は輸出が拡大します。ですが今回の世界経済は想定のスピードを超えて拡大しました。これに対応するため、企業は人件費の安い海外に工場を移転、もしくは新工場建設で対応してきましたから、国内経済は低成長に喘いだのです。円安で多少輸出額も拡大しましたが、11月貿易統計で2千億円以上の赤字となったように、円高と生産調整が起きれば脆弱な輸出依存体質のこの国は、拡大していなかった分のマイナス面が目立つようになります。
円高になると輸出企業は日本から流出する、と竹中氏も述べているようですが、そんなことはありません。この経済混乱で、人件費の安い小国では財政、治安、超インフレ、そうした様々な不安が渦巻きます。単純に労務費の割安感、税優遇だけで企業が工場計画を右往左往させるなら、投下する設備投資の面から見ても企業経営としては最悪の選択です。問題はバランス、高い労務費は安定した生産の代償と捉えるかどうかであり、為替も常に円高、円安ではないのですから、それに一喜一憂するのではなく、一方のマイナスを一方でどう補うかが経営なのです。

これを税制抜本改革に当てはめれば、税収減や国の借金を消費税増税で補う、ということになります。ただ経済好転が前提であれば、恐らく3年どころか5年は無理でしょう。つまりこの対策では財政健全化には程遠く、遅れたことによる返済額の拡大も考え合わせると、対策としての評価は著しく低くなってしまいます。
道路特定財源の一般財源化も骨抜きされ、この税制抜本改革もほぼ消費税上げばかりが議題となってしまいました。大事なことは財政の仕組み、歳入と歳出の関係を見直すことであり、特別会計や一般会計を大胆に見直し、ムダを排除して財政健全化ができるよう整えることなのです。
財界が人件費カットの手法として、新興国並の待遇を国民に求め、政府がそれに応えて非正規雇用や低賃金労働が拡大するよう制度改正をしました。ならば政府の財政も新興国並にならざるを得ないのです。なぜなら、人件費が低ければ当然税収も落ち、その分が消費に回らないので経済規模が縮小するからです。もう一度、この国がどうなりたいのか、政治はそれを明らかにし、国民に信を問うことが必要なのでしょう。小泉改革の痛み、それが国民を襲う中で何が正しい選挙、選択だったのか、それを国民全体が考えるべきなのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月23日 23時16分

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経済の話。来年の証券市場について

来年の市場動向について考えてみます。まず今年の反省から。昨年末、日経平均が15000円台にある時に今年の相場変動幅を16000~12000としました。ベア破綻時に瞬間的に割り込みましたが、前半はこの水準を維持できました。また6月には年後半の見通しを、14000円台にあった日経平均に対し、15000~10000と少し下方に見直しました。
この下限は固いと見ていましたが、その想定が狂ったのはリーマン破綻であり、その影響を見通せなかったこと。25日移動平均乖離率はこれまで-20を越えることはありませんでしたが、10月に-28を越えるなど、歴史的な暴落だったこと。これらにより年後半は読み難い展開が続きました。

ディーラーの中にも、これまで無かった動きが出てきて、その動きを分析する方が大変だった一年でした。これが来年落ち着くか?というと厳しいと見ています。現状、米国が財政的に破綻する可能性は30%程度と想定していますが、米国のゼロ金利の影響で、新興国でハイパーインフレなどの経済問題が発生する確率は、もう少し高くなると見ています。
つまり来年を見通す上で重要なのは下限をどこにおくか、です。上値は不況下の株高という言葉もある通り、瞬間的には大台を目指すことがあるかもしれません。ただ下限は、破綻を織り込んだ水準をどう捉えるか、によって幾つかのシナリオに分かれることになります。

需給動向的には、ヘッジファンドの解約停止が続く中で売りが止まらない現状から考えると、外国人投資家の売り需要は来年以降も続きます。年金も大きく下がれば買えますが、水準は一段下へと移ってくるでしょう。一方で上値では年金から持ち高調整の売りが出ますので、需給面から見ると相場はかなり上値が重く、下値はずるずると下がっていくことになると予測しています。
来年の見通しは、10500~5000と見ます。少し広めですが、上値は債先売/株先買の動きが急速に起きた場合、即ち債券のプチ暴落をある程度意識しています。下値は米国の財務状況次第で米債の暴落が起きた場合、パニック売りが起きて3000程度に落ちても不思議はありません。ただ30%の想定ですので、そこまでいかないという意味で、オバマ期待が剥落した後の米市場の水準程度としています。

来年、経済が回復する可能性はゼロに近いでしょう。公共事業を増やそうと、保護主義に走ろうと、金融が崩れた社会には大きな発展もなく、成功したとしても低成長を享受しなければなりません。一定の下支えはできても、それ以上に悪化する実体経済には抗し切れません。市場は景気に先行して動く、とはいえ、再来年まで景気回復が遅れれば財政出動を余儀なくされる政府体力が、各国でも意識されることとなり、そうしたものも上値を重たくさせる原因になってしまうのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月22日 23時13分

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来年の米国について考える

米国でビッグ3への174億$のつなぎ融資が実施され、世界各国も自動車産業への支援に乗り出し、日本も追随するかの動きを見せています。ロシアが関税という保護主義をかける姿勢を見せ始めたように、今回の景気混乱を受けて世界が分かり易い形での対応に迫られてきました。来年の米国を初めとした世界の動きは、こうした極めて危険な対応に陥るのでしょう。

以前も指摘しましたが、ビッグ3はこれで来年の2、3月に破綻か、存続かを決することになります。破産法11条を申請しての再建は、今回のつなぎ融資を捨てる覚悟がオバマ政権にできれば可能ですが、そうでなければ3つを足して1にするぐらいの規模の大胆な改革を打たない限り有り得ません。
全米自動車労組(UAW)はオバマ政権で既得権益が維持できると踏んだようですが、3社で1千億$を越すジャンク債等級の負債を抱えた企業は、労務費だけでなく運転資金面でもパンクします。支援を続ける気なら、米国は国家財政を傾ける決断をいつかはしないといけないのでしょうね。

来年の世界は確実に移民排除の動きが起きます。移民は本国送金を伴う場合、国内の労働対価の一部を海外に移転する形になります。各国とも国内の生産性が低下する中、消費に影響する資金の持ち出しという形を嫌い、また分かり易くはネオ国家主義、民族排外主義、という言葉で置き換えても良いですが、自力更生を目指すこうした動きが起きてくることが確実になります。
そんな中、米国ではオバマ政権への期待が高まっていますが、オバマ氏は全体主義を標榜しています。国民全てを救う、その中に当然のように移民も入っていますが、これは極めて危険な賭けです。自動車業界もそうですが、全てを救おうという姿勢は、全てを救えない可能性を排除できない、ということでもあるのです。

つまり米国の来年は、最善になる低い確率と、最悪になる高い確率の二通りがシナリオとして浮上することになります。何かを切らなければ何かを救えない、それが現状の世界であり、それが国家主義です。他者を排外してでも自分たちは生き残る、そうした戦略性のないオバマ氏にとって、幾つもの重要な決断を迫られる場面が訪れることになるのでしょう。
米経済に言及すれば、ダウは5千$割れを試すと考えます。楽観シナリオが蔓延する現状でも9千$は越えられず、重さも目立つようになってきました。GEの格下げなどもありますが、捨てる覚悟のない米国は、誰も救えない事態になることも想定すべきです。今年の米国には驚くようなことが次々と起きましたが、来年もネガティブな意味でのサプライズの情報に、日本も振り回されることになるのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月21日 23時22分

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来年度政府予算原案について考える

財務相による09年度政府予算原案が出てきました。2次補正と合わせた14ヶ月予算として88兆5480億円となり、08年度当初予算より5兆5千億円増です。基礎年金の国庫負担引き上げや、景気対策分の上乗せはありますが、この歳出増が死に体といわれる麻生政権の息の根を止める可能性があります。
負担増を一時的には埋蔵金で凌ぐものの、来年度は今年度の赤字転落企業分も含め、税収減が確実です。原案では税収を7兆5千億円減の46兆円としていますが、これは政府が来年度成長をゼロ、つまり今年度程度には維持できると見ている結果であり、マイナス成長と予測する民間研究機関とは乖離しています。楽観的予測に基づく計画は時として最悪の事態を招きかねません。

公共事業費が3千億円弱の増加で7兆円、社会保障費の自然増分2200億円削減枠も230億円まで縮減させます。定額給付金や緊急雇用創出対策など、選挙対策のバラマキとも見えますが、負担増は将来世代への付回しということを国民は気付いています。90年代に失敗した自民党政治を繰り返せば、支持率も当時の森内閣と同様、一桁台に沈むことになるでしょう。
予算原案の問題とは、縦割り予算のためにムダ抽出が進まないことです。シーリングの原則も崩れていますが、例えば2つの省庁から出される関係の深い事業の予算を足して0.8掛けして予算を作る。すると省庁間の奪い合いが起きますが、重点施策の方に振り向けようと、省庁が検討を始めるでしょう。すると歳出は削減され、各省庁にもインセンティブが働くことになります。

今回続々と明るみに出る埋蔵金など、これまで政府がムダな歳出を繰り返し、それを省庁が溜め込む体質が明らかです。一時的にそれを抽出しても、この仕組みを改めない限り、ムダな歳出は続きます。また独立行政法人との関係など、政府が手柄を上げる施策は大量にあるにも関わらず、単に歳出増でこの危難を乗り切ろうとすれば、政府の無策ぶりを露呈するだけになります。
そして来年度予算の甘い見積もりが、仮に任期である9月まで総選挙の開催時期を延ばした場合、政権の首を絞めかねない重大な疑義を国民に生じさせることになります。8月に出される概算要求、その時までに税収不足に伴う赤字国債発行などが議論の対象となってきますので、この歳出増に伴う影響が麻生政権の首を確実に絞めることになるのです。

そのときも埋蔵金という話であれば、この国は一体どこに、どの程度の埋蔵金を抱えているのか?ということも議論の的になるでしょう。この予算原案、景気対策、雇用対策、少子化対策など様々なものを詰め込みましたが、新たな国の形も示せない政府にこそ、対策を打とうという機運を国民に巻き起こしてしまうのかもしれませんね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月20日 23時18分

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日銀が0.2%の利下げへ

日銀が政策金利を0.2%引き下げ、0.3%から0.1%とすると発表しました。ゼロ金利にしなかった理由は、短期金融市場の市場機能維持を挙げましたが、本音は10月に決定した当座預金への0.1%の付利について、効果を見極めるためにもそれ以下には出来なかった、というところでしょう。
預金金利が即座に0.12%から0.04%に引き下げられましたが、当座預金への付利がつく金融機関は0.1%の誘導金利+当座預金への付利0.1%で、見かけより収益を上げている形になります。これを容認し、銀行に預金金利の低下だけを許せば国民への説明がつかない点が危惧されたと推測しています。

合わせてCP買取も発表しましたが、これは例年であれば年後半から電力会社を筆頭に大企業がCPを発行し始め、それを金融機関などが引き受けます。しかし電力会社すら引き受け手がいないことを危惧され、大企業もCP発行に二の足を踏んだこと、その結果大企業の銀行借入が拡大し、資金繰り懸念が強まったために日銀も対応を迫られた面があったのでしょう。
また長期国債買い入れを月1兆2千億から1兆4千億へと増額し、長期金利の低下を促す施策をとることを発表しました。財政出動を示唆したことにもなり、量的緩和は否定していますが、事実上の新たな段階に日銀が踏む込むことを示す、そうした白川総裁の記者会見でした。

市場はすでに利下げを織り込んでおり、瞬間的な好感はありましたが、その後反対売買で戻しています。利下げ幅を刻むことに不可解さを感じる人もいますが、むしろ1%以下の金利では誘導性が低く、米国のように1%から0%へ下げても、日本のように0.3%から0.1%へ下げても意味は同じです。金利差が為替に影響する、という意見もありますが、為替は一度傾き出すと継続した動きを示すものであり、コンマ幾つの金利差が標的となることは少なく、効果は限定的です。
最大の効果はアナウンス、と与謝野経財担当相が認めたように、効果は極めて限定的です。それでもやらざるを得ないのは、市場が誰がこの危難を救ってくれるのか?というメシアの登場を望み過ぎるからです。市場主義が蔓延した米国で対応が早いと言われるのも、市場の期待値ばかりが先行するためでり、では今後この不況が長期化したら?という展望は誰も語っていません。
対策の手を打ち尽くした後の世界で、景気が低迷することになれば、誰がそのメシアになるのか?日米ともに財政不安を抱え、誰も救いの手を差し延べられなくなったとき、そこからが本当の試練です。今後の世界景気の行方を短期、中長期に分けて展望できていない、今の場当たり的な対応が将来の足かせにならないことを、今は祈るばかりですね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月19日 23時8分

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雇用問題より消費者庁が大事?

野党3党が参院に提出した雇用対策4法案が、参院で強行採決されました。与野党ともに非難合戦に陥っており、この法案が政局の象徴のような形になっていますが、雇用問題が国民にとって喫緊の課題であることに間違いありません。この問題で麻生氏がぶら下がりの中で「消費者庁の方がよっぽど重要」と答え、慌てて雇用も重要と言い直す場面がありました。そうやって本音がチラチラ見え隠れするところが、麻生氏が国民に嫌われる最大の原因なのでしょう。

以前、雇用問題は大きな政府指向だと述べたことがあります。当然のように、いきなり収入がゼロ、住居が奪われれば最低限のセイフティネットとして、失業保険や住居対策費などを手当てしなければならず、政府がこの問題に多大な関与しなければならない事態となります。
本来、雇用調整としてののり代を労働意欲のある高齢者に求めれば、仮に失業しても年金という収入があり、最低の生活は賄えることになります。しかし年金は働けば減らされるために高齢者も労働意欲をそがれており、こうした雇用調整の役を果たすには不十分な状態です。結果として、働き盛りの世代が雇用調整の標的となり、安定した生活を奪われるために家庭をもつこともできません。この問題とは、雇用だけでなく少子化対策の一端でもあるのです。

翻って消費者庁とは、食の安全などの一定の生活を確保された上で、より安全、安心に生活するための庁です。どちらが重要かは火を見るより明らか、セイフティネットを整えることが、政府の最低限の仕事であり、それが出来なければ政治はその任を下りなければなりません。
野党が雇用法案など出しても何の意味もありません。財源手当てを握るのは政府与党だからです。そんな中、与党が銀行等保有株式取得機構に20兆円の資金枠を決めたようです。これは銀行が抱える株の価値が目減りし、自己資本比率の悪化した金融機関が貸し渋り、貸し剥がしをすることを防止し、資金繰り対策として貸し出しを期待して行うものでもあります。

ただ邦銀等の株式保有は以前から疑問視されていました。バブルの失敗を再び邦銀は繰り返しているのであり、流動性対策としてもそこに20兆円もの巨額な資金を投下するのが是か?そしてこの流動性対策は、すでに幾つか別の対策も打たれており、十重二十重にこの部分に手当てをすることが必要か?ということは検討の余地があるものです。
セイフティネット、という本来必要な対策が遅れる。対策を地方や企業に投げ、中央の政治家は政局睨みで動かない、ということがどういう結果をもたらすのか?政府は絶対に必要な対策と、野党が反対する対策とをセットで通そうとしがちですが、今そのような平時の国会対応で国民が納得するほどの状況ではない、ということを政府は意識すべきなのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月18日 23時9分

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米国がゼロ金利政策へ

昨日の米FOMCで政策誘導金利(FFレート)を0~0.25%程度に引き下げる、つまりゼロ金利政策が打ち出されました。これを受けてドル安、逃避的に円やユーロがドルに対して高くなっています。量的緩和も示唆されましたが、すでにCP買取やGSE2社の債権買取でFRBのバランスシートは法的上限を突破し、量的緩和状態にあります。更に市場に資金を供給するための手段として、どんな手を打つかによっては今後、米国経済が不安定化することも視野に入ってきました。

この政策は米国が一国主義に陥ったことを意味します。声明文の中に、インフレ期待が後退し、この異例の対応も容認されるという文言があります。米国で懸念され始めたデフレは借金を見かけ上悪化させ、深刻な打撃となります。そこで形振り構わずインフレ誘導する、というのがこの文言の解釈であり、為替に現れた深刻な影響は80円割れを試しに行く可能性を示唆しています。
そして更なるデフレ圧力が掛かる時、FRBに打てる手は国債買い入れか紙幣増刷、イレギュラーな対応であれば当座預金への積み増しなどもありますが、いずれにしろ市場に資金をジャブジャブに供給する策となります。そしてこれらはFOMCなどを経ず、散発的に発生することになり、為替相場はFRBの動きを警戒してドル安方向に常に強いバイアスがかかった状態となってしまうのです。

これは資源、農産物などの価格上昇を引き起こし、更にドルペッグ制をとる国にインフレ圧力をかけます。米国はそれらを黙過し、デフレ阻止の強い姿勢を示しました。一方でこれは輸出産業に有利でも、利ザヤを稼ぐ商業銀行にとって不利に働きます。シティの投資業務も財務省管理下にあって動きが鈍化しそうですが、金融機関にとっては厳しい収益環境に陥ることは間違いありません。
米国では今、信用保証の付け替えという作業を行っています。企業や金融機関が発行するものはほとんどが投資不適格であり、それらをFRBや財務省が手当てし、資金繰りを賄っている状況です。一般の金融機関が保持すると、財務内容が悪化するため手元に置けません。そこで最大の信用保証組織が国ということですが、いつまでもこの対策を続ければ、財務内容の悪化が米財政で懸念される事態となり、最悪は米国の国家破綻ということも意識する必要が生まれ、それらが更なるドル安圧力となるのでしょう。

一部の著名投資家が証券市場で今が安値と買い漁っているようですが、これらも企業が破綻しないという想定で出来ることです。しかし米国自らが壊れたら?そういう想定も必要なのでしょう。
問題はこれで米経済が建て直せるか?ですが、ドル安でも輸出産業が活性化されず、金融も機能停止に陥る中では厳しくなります。デフレを恐れてゼロ金利に陥った米国に、世界を牽引する力はありません。特に、モノの流れだけではなくカネも世界を飛び交う現在、一国主義では世界経済の低迷を益々加速させ、回復を遅らせるばかりとなります。今回のゼロ金利政策、世界を巻き込んで不安定さを増す対策であり、極めて深刻な事態といわざるを得ないのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月17日 23時14分

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自民党内の動きが更に活発に

中国から最近、民主化に向けた動きが静かに始まっているとの記事が目立ちます。有識者らが08年憲章と呼ばれる民主化政策を打ち出し、ネットを通じて署名を呼びかけるなど、積極的な活動を続けています。当局もこうした動きを押さえ込むため、報道規制や取り締まりを強めており、経済混乱に伴う政情不安に対して必死の抵抗を示しています。
しかし中国共産党が目の敵にする法輪功が立ち上がれば、共産党員を凌駕する数が反政府に回りますし、出稼ぎ労働者の多い中国社会で、この労働者層が流民化すると治安悪化が顕在化します。黄巾の乱、紅巾の乱、義和団の乱、中国では流民が糾合して中央政府に逆らった例は枚挙に暇がありません。今回の急速な景気悪化でも、欧米の自動車産業の買収に積極的とされる中国にとって、足元からぐらつき始めるとその強気の態度がどこまで続くのか?微妙になってくるのでしょうね。

日本では政局が波乱含みです。自民党山崎氏、加藤氏、民主党菅氏、国民新党亀井氏がYKKKなどと名乗ってメディア出演し、政界再編の思惑を語りました。一方、自民党古賀選対委員長が比例投票における公明党との連携に対し、疑問を投げかけたことで与党内の結束に疑義が生じました。
前者は泥舟から逃げ出す算段と、その後の提携を睨んだ動き。後者は最近強硬な態度をとる公明に対して軽く牽制する動きと、どちらも自公一体と見られることへの警戒がそうさせています。公明も泥舟・自民と船団を組んでいては厳しい、自民も創価学会と折り合いの悪かった支持母体、立正佼成会との関係が悪化してきましたから、ここらで改めて支持基盤を固めたい、との思惑もあるのでしょう。

ただ今回が政界再編の好機か?というと全くそんなことはありません。政権支持がこれだけ沈めば、野党はほぼ勝利が確実となり、わざわざその船から飛び下りて泥舟に乗り換える必要はありません。自民党側から積極的に政界再編の声が聞こえても、それは自己保身のためであり、真に国家を考えたものでないことは明白のため、支持が得られるはずもないからです。
政界再編が起きるのは次の次の選挙、どちらが最大与党になってもそこが禊の場となります。伊吹氏がYKKKを米国の白人至上主義団体KKKに例え、若手が暗殺されないように…と発言したようですが、KKKは最盛期には黒人のみならずソ連共産主義の脅威を受けて共産党主義者などまで排斥の対象にしました。社会不安が拡大する時、排外主義ばかりではなく、理念すら攻撃対象になるという意味では、自民党議員の口撃はより辛辣に、他を攻撃する方向で向かい易くなるのでしょうね。

最後に一つ、公益法人の理事を所管省庁出身者割合で3分の1以下に規制する案ついて、政府は困難とする答弁書をまとめたようです。法律に掲げるなら簡単に、公益法人の理事は勤務5年以上経過しない者は認めない、と書けば今のような2、3年でワタリを繰り返す行為も激減するはずです。問題はやる気のない政府態度であり、こうしたものを見ると現在検討されている人事を一括で内閣府がまとめる案も、何の有効性もないと自ら示していることになるのでしょうね。

作者:analyst_zaiya777

更新日:2008年12月16日 23時19分

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法人税引き下げ議論について

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来年の政治について

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介護報酬の引き上げについて

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来年の経済について考える

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雑感、08年の事件について考える

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07年GDPが先進7カ国中最低に

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雑感、予算案と雇用

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税制抜本改革で消費税引き上げ明記へ

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経済の話。来年の証券市場について

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来年の米国について考える

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来年度政府予算原案について考える

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