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トップ > ベトナム > ベトナム - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年12月4日 3時)

喰霊-零-第10話

 えーまずはお詫び。すいません。私の早とちりというか見立て違いでしたね。さすがにあれが「あの日」ってことはなかった(^^;

 しかしながら、ぐりぐりと追いつめられていく黄泉の痛ましさは見ていて何とも言えない気分になります。ああ、なるほどこんな風になるのか。そして最後の最後、一番頼っていた神楽にトドメを刺されて魔に落ちる…うわーこれは辛いなあ。

 神楽は「黄泉を信じてるから」というんだけど、実際は図星だったわけだから。憎悪のままに冥を殺してしまっていたのですね。これじゃあまったくのダメ押しだ。ここは「たとえ黄泉がどうであれ、私は味方だから」とでも言うべきだったのだろうな。そういう対応はかなり難しいけど。

 それにしても、後になって死ぬほど後悔する決断ほど、その瞬間には何の迷いもないものなのですよねえ。黄泉もそんな感じだったようで。

 とにかく30分間、とことん追いつめられる黄泉。でも説得力は増しますよ。ああ、これはカテゴリーAと化しても仕方ないやと。

 というわけで黄泉、ついに失踪。今度こそ次回は「あの日」に?
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作者:てんちょ

更新日:2008年12月3日 0時20分

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無限の住人第11話「羽根」

 あれ、新夜篇ってこんなにすごかったっけ。そのずっしりとした重みが腹にこたえます。だからってしつこくてイヤだってわけじゃなくて。その途方もない重厚さに感嘆のため息が出るばかり。

 原作の新夜篇読んだ時には「なんだか辛気臭くてらしくないなあ」と思ったものでしたけど。原作はこのあたりからテンポがガクッと落ちていき、ウネウネと袋小路に迷い込んでいくハメになるわけですが。

 このタッチでうまく原作を整理してくれれば、第2シーズンはよりすごいことになるんじゃないだろうか。原作も志は高いんですよね。単なる「敵討ち」の話にとどまらない、人間の復讐心とか闘争心とどのように折り合いをつけていくべきか、という話になるわけだから。問題は、それをあまりにもいっぺんに描こうとしすぎて、序盤のスピード感を完全に失ってしまったことにあるわけですが。

 でも確かに素材はいいので、ここは交通整理のプロである真下の手腕に期待したいところ。そういう意味では、第2シーズン以降こそが、より注目のポイントということになりましょうか。原作の完成度が下がってくるぶん、より腕のふるい甲斐はあると思うのですよ。お得意の多視点カットバックとかもぜひ多用してほしい。

 それで今回の新夜篇完結エピソード。箪笥2竿を遮蔽にした6畳間でのバトル、原作よりも明快に立ち位置とか攻撃の繰り出し方が理解できるのはすごいなあと思ったり(^^;原作は結構勢いでみせてしまっているので、動きを分析してみたら大ウソがばれてしまう局面も多々あるはず。それをここまで徹底的に読み込んで描き尽くしたのはお見事というほかありません。これはまさしく真下じゃなきゃできない細かい演出芸ですね。

 凛の体にボディペインティングする新夜のしぐさとかは、さすがと言うほかないエロチックさだし。エロはエロでも下世話なやつじゃなくて、すごく知的な作りになっているのはやっぱり違いますね。

 そして結末部。「敵討ちの覚悟」がいかにできていなかったか、敵討ちがいかに非道であるか、思い知らされる凛の苦悩が実に重い。そしていまさら「敵討ちやめた」とはいえないことにいまさらながらに気付く衝撃。原作を丁寧にたどることによって原作を超えてみせようとする志の高さが見事です。

 あと2話。たぶん金沢篇の直前で終わることになるんだろうけど、締めくくり方もひとつ注目して、みていこうと思います。
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作者:てんちょ

更新日:2008年12月2日 12時59分

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テレパシー蘭第23話「蘭と謎のおーいはに丸」

 今回の見所はなんといってもかなりの尺数を使って悪ノリ気味に展開される「古墳魔法少女801ちゃん(違う)」のアイキャッチ(^^;

 いやあここまで見事にパロディ化されるともはやなにを言っていいやら。誰一人ツッこまず放置プレイ、というあたりもイカしてます(^^;最初からこれぐらいバカげたラインを突っ走ってくれればおもしろかったのに。マスコットキャラのはに丸は、どうみても往年のNHK教育マスコットキャラ・おーいはに丸。確信犯やなあ。

 今回で単発エピソードは終了、次回から最終回へ向けての3話連続構成のようなのですが、最後までツッコミ所満載のエピソードを用意してくれるのはさすがです。801ちゃんが「またかいな」と言うてましたけど、結局このアニメって「電波少女・蘭」なんですね(^^;

 そもそも今回のゲストキャラのはに丸がなんで埴輪の中に宿ったのかはさっぱり不明なままだし、まあ大した遺物じゃないんでしょうが、気軽に貸してくれすぎ。そもそも蘭たちも地域文化財とはいえ、素手で持って走るわ地面に転がすわと手荒く扱いすぎ。逮捕されるぞ君ら。資料館から借り出すシーンがあるだけでも、このアニメとしてはフォローされてるほうなんでしょうけどねえ。

 そもそも最後に蘭が女王さまごっこしたらなんですべてがまるく収まるのか、さっぱりわからないんですけど。せめて蘭があのまま女王として残るなら分かるんだけどさ。スタッフもさすがにマズいと思ったんでしょうが、最後によくわからないフォローがされるほどに深みにはまっているというかなんと言うか。ねえみなさん、泥沼、って言葉知ってる?

 ところでここに至ってわかったんですけど、801ちゃんが凛のこと好きだと公言しているのは、何のことはない、手料理食べたかっただけなんですね(^^;うまいもの食べると機嫌がなおる…うちの家族も一緒ですわ(笑)
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月29日 23時59分

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喰霊-零-第8話

 ついに黄泉、堕つ…

 予想よりはずいぶん早かったですね。そしてようやくここまでたどりついたことによってわかったことが1点。

 黄泉の失踪からカテゴリーAとしての発見までは何ヶ月もかかっているのだとばかり思っていたのですが。実はあれ、ほんの数時間のことだったんですね。すべてが明らかになった今、第1・2話と照らし合わせて「あ…!」と思うこと多数。本当、うまくできてるなあ、このアニメ。何度でも驚かされる。

 そもそも特戦4課の例の2人と神楽がすれ違う前回のエピソードも、何のことはない、第1話冒頭のあの「墓参り」そのものだったのですね。だから、黄泉と特戦4課のそもそもの出会いはもっとずっと昔のことで、結局描かれることなく終わってしまうと。意地悪だなあ(^^;

 そして現在郊外でカテゴリーBと戦っている環境省メンバーが中心部にもどってみてあの惨劇に遭遇すると。

 つまり第2話で黄泉が、紀之のことを「あいつは意気地なしだから」と言っていたのもほんの数日前のデートのことなわけで。最後の一線を超えてほしかったのに、そうしなかったのですね。

 いやはやこの作品にはとことんいいようにもて遊ばれている。「まだまだ」と思っていると急転直下で「あの瞬間」まで到達させてしまう。このあたりの手技の巧みさには本当に感心するほかありません。

 要するに、次回はもはや「あの瞬間」。第2話にうまく着地させるためにそれなりの技巧は施してくることでしょうが、要するに黄泉が刀を振り下ろした「大っ嫌い!」の次の瞬間がようやく明かされることになります。果たして、神楽の運命は?次回こそはこれは見逃せない!

 毎回同じこと言ってる気もするけど(^^;
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月27日 1時7分

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おねがいマイメロディきらら第34話

 なんだか久々に、本当に「タダの無害なガキ向け」って感じの内容。マイメロ様にはそうなってほしくなかったよ。シーズン頭のころの鈍い内容に先祖がえりしてしまった感じ。

 特に今回は星のカケラ探しもないし、内容的にもすごく他愛もない。ナスビの神サマがまた登場して、最後はやっぱりみんなの記憶から消さないといけないので、かなりプロットは強引でありました。このへん、やっぱりネタ不足を感じますね。

 わざとナス神サマま欠陥をゆっくり説明して相手に早合点させるマイメロ様の陰湿さは相変わらずですが(笑)

 あ、でも人間界が夢をなくして即物的なお願いばかりが増えだした、というのはやっぱり一応伏線なのね。(^^;ただ、サッカーボールを供えて「IT社長になりたい」というのは無理があるんじゃないか?
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月26日 23時59分

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更新日:2008年11月26日 23時59分

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活弁+生楽団「瞼の母」「血煙荒神山」

ここのところ無声映画づいているところへ、降ってわいたように知らされた活弁・楽団付きの無声映画上映会。いさんで京都まで行ってきました。かくいう私も楽団付き上映というのは見たことがない。関西では残念ながらほとんど上演例がないのです。まあ、東京でもたいていはピアノ伴奏ですからね。日本の無声映画本来の味が一番引き出される「和洋合奏団」はめったにないと言っていい。ピアノ・サックス・トランペットに三味線と太鼓。本当はこれにバイオリンが入ると最高なんですが。本日のメンバーも若手の混成部隊らしく、探り探り音を合わせてましたけど(笑)まあ、京大交響楽団の惨憺たる「戦艦ポチョムキン」伴奏よりはよっぽどマシ。やはりチャンバラに和洋合奏は胸が高鳴ります。この先も活弁+合奏企画を続けていきたいとのことでしたが、それなら「忠次旅日記」!絶対に(^^;

 とはいえ主催団体は映画ファンの市場にうといらしく、観客は老人ばかりという閑散たるありさまでしたよ。本当に続けられるんかな。私はネットサーチ中に偶然情報をつかんでチケット購入。それにしてももったいないなー京都文化博物館でやるときは活弁といえば満員札止めなのにね。

 もちろん出演は関西唯一の弁士・井上陽一氏。実は意外にも私も井上氏の活弁は初めて。京都文博でやるときも、満員で入れなかったし、その後もなかなか機会がなくて。

 で、今回初めて聞いてみて感じたのは、松田=澤登系の東京活弁と井上氏の関西活弁はまったく別物の系譜だということ。澤登氏のカンカンと歯切れのいい滑舌に対して、井上氏の語り口はしっとりとやわらかい。上方伝統の、まさしく人形浄瑠璃の系譜に乗っているなあと実感しました。もちろん江戸言葉を関西イントネーションにしてる、なんてことはないですよ(笑)人形浄瑠璃ファン(実は)としては、関西活弁の味も捨てがたい。東京活弁はすっかり人気になり弟子も続々登場してますが、関西活弁は今のところ井上氏ただ一人!誰か弟子になる人はいないものか。井上氏もう60過ぎましたからねえ。

 あ、そうそう。肝心の映画ですが。前座は辻吉郎監督の「血煙荒神山」。終幕の20分ほどの断片ですが、それでもそれなりに楽しめるのがおもしろい。「忠次旅日記」もそうですが、無声映画はいくつものサブエピソードの連続でできており、そのうちのひとつを取り出してもそれなりに理解できてしまう。歌舞伎の影響かもしれません。だからこそ、ぶった切りOKの超短縮版が平然と生み出されたのでしょうけど。辻吉郎は現在ではすっかり忘れ去られた人ですがチャンバラは非常に手堅い。前座でサワリを楽しむにはぴったりですね。京都文化博物館には確かフィルムセンターにもない3時間を超える堂々たる大作「清水次郎長」三部作があったとおもうのだけど。

 「瞼の母」は、いまとなっては気恥ずかしいほどのアナクロ。いくら「無法松の一生」の稲垣浩監督とはいえ、まったく食指が動かず、今まで見ていませんでした。しかしこれがサイレント映画だと妙な説得力があり、むしろモダンな印象すら受けてしまうのだから不思議なものです。母の噂を伝え聞いて急く足取りで江戸に向かう忠太郎の足下を映し、そこに短い間隔で「江戸!」「母!」と何度も字幕を入れるとかね。せっかく対面した母子が内心に反していがみ合ってしまう場面では、エイゼンシュタインもかくやというフレーム単位での激しいモンタージュが仕掛けられる。なるほど、無声映画ではストーリーよりはまず演出の腕前なんですねえ。当時絶賛されたのもうなづける。もちろん弁士あってこそ印象がふくらむ場面もあり、今後も活弁付きは食わず嫌いせず見ないと、と痛感いたしました。そうでないと、いや本当にもったいない。日本の無声映画は本来活弁込みのものなんだから。
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月25日 17時48分

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テレパシー蘭第23話「蘭と謎のチョンマゲ幼女」

 いや何が気になるって、あの雪女幼女の筆みたいなチョンマゲ。誰だあれ考えたのは(笑)そもそも似合ってないし異様だし、狐の尻尾のつもりならもう少し考えましょうよ(^^;ポニーテールとかさ。いろいろ「らしい」ヘアスタイルはあるわけだし。

 まあ今回もシンプルな1話完結で、ちょっとした「らしい」ほのぼの話としてはそれなりにできているんだけど、いろいろとツッコミところが満載なのが「らしい」というかなんというか。そもそもあんな氷柱の中に閉じ込められたペンダントをどうやって取り出したんでしょうか。超能力?一般人見てる前で?また雪崩起きなくてよかったね(^^;

 そもそもずーっとペンダントを見張っていた狐が亡霊化して…というのは一見もの悲しいんだけど、冷静に考えると相当にマヌケです。そもそもなんで彼女が成人するまで待つわけよ。もっと早く呼びつけてもよかったろうに。そもそも蘭たちぜんぜん関係ないし。まあ例によって電波を誤受信したんだろうけど。蘭は相当に電波少女と化してきましたな。受信の原因が分かってもやっぱり意味不明というのはこの作品ならではですけどね(--;

 そしてなにより絶句するのが
「キツネ幼女の霊は憑依して、そのまま一緒に都会へ帰ったのであった…」
 というオチ。ええーっおいおい!この先一生キツネつきですか?
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月24日 12時57分

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マキノ版「丹下左膳」と「新版大岡政談」

 CS時代劇専門チャンネルでマキノ版「丹下左膳」2部作を視聴。目下のところ正統派丹下左膳の大河内傳次郎作品のうちまとまった形で残っているのは唯一この2部作だとか。そう考えると貴重なわけですが、大河内最大の当たり役とされながらも、実はきちんとしたものはないのだなあと嘆息するばかり。山中貞雄の「丹下左膳余話・百万両の壷」は傑作コメディではありますが、元ネタとなったシリアス左膳が消え去っているというのではシャレにもならない。

 それでも丹下左膳の出発点である伊藤大輔版サイレント作品「新版大岡政談」三部作(1927-28)を原作に、比較的忠実にトーキー化したものなのだとか。

 ただ、戦後間もないころに作られたこの作品の場合、大河内は既に50歳をすぎており、とにかく走れない飛べない。刀を抜くときはつっかえるし。誰かやめとけと言う人はいなかったのか(^^;
 クライマックスに至っては、大勢の捕り手に囲まれながら「なんみょーほーれんげーきょー」とお題目を唱えてトボトボと歩いてやって来る。伊藤版では「まるでラグビー」と評されるほどスピード感あふれる名刀の争奪戦が展開されたというのに、もはやそれは望むべくもくなく。な、情けない(笑)この企画がもう少し早く実現してればなあ。

 全盛期の左膳がいかにすごかったかは、第1篇の半分が残されているだけの伊藤大輔版「丹下左膳」(1933)で十分に知ることができます。とにかく左膳がなかなか出てこなくて、やっと登場するのはちょび安がこけ猿の壷を持ってかまぼこ小屋に転がり込んでくる77シーン目になってから。脚本によると第1篇は135シーンしかないので、半分を超えたあたりでようやくお披露目となる次第。こけ猿の壷を盗んで逃げてきたちょび安が追いかけてきた与吉と口論となり、最初は寝っころがった足の先しか見えなかった左膳がガバッとはね起きて

「仲裁は時の氏神、ひとつ俺が裁いてやろう」

と姿をみせるこのシーン。当時の劇場では「待ってました!」と歓声が飛んだにちがいありません。リアルタイムで見たら楽しかったろうなあ…「シェイは丹下、名はシャジェン」というあまりにも有名な台詞の部分はないものの、「取ったという、取らぬというしょしぇんはみじゅかけ論!」と独特の節回し、確かにかっこ良いのです。

 現在残っているフィルムセンター版はストーリーはほぼ理解できるもののアクションシーンがすべて欠落しているという妙なバージョン。おそらく誰かこっそりお気に入りの部分をパクったのだろうなあ(^^;

 とはいえ遠洋漁業の漁師さん向けにロンドンの冷凍倉庫に保管されていたフィルムのようで、まるでニュープリントのような美麗さは涙が出そうになります。ああ、これでアクション場面が残っていれば…

 少し心休まるのは、今回CSでも放映されたマツダ映画社所蔵の断片に含まれているのが、まさしくその断片部分であるということ。もちろん音声はなくなっており傷だらけ…なのですけどね(^^;将来的に両方を組み合わせたバージョンができてもいいんじゃないでしょうか。これは今回のうれしい発見でした。こけ猿の壷争奪戦の場面もどこかから出てこないだろうか。

 マキノ版も左膳すっかり太っているとはいえ、異様な怪人としての丹下左膳のキャラクターの面白さは健在で、これは確かに大河内でなくては出せないもの。この作品に価値があるとしたら、今は所在不明の大傑作・伊藤大輔版「新版大岡政談」がどのようなものであったかイメージするための土台としてのものでしょう。己を殺して職人的に堅実な作品を量産するマキノ正博監督ならではの無色ぶりがここではかえって助けとなります。

 脚本すら残されていないとはいえ、「新版大岡政談」はいくつかの文献で詳細に紹介されており、マキノ版を見た後では格段にイメージしやすくなるのはありがたい限り。

 フィルムアート社の「映画読本・伊藤大輔」は全作品が詳細に解説された良著。これは現在でも入手できます。

 岩波書店の講座・日本映画シリーズでは、第2巻「無声映画の完成」で字幕も含めてさらに詳細に解説されているのがうれしい限り。これは現在入手困難ですが、たいていの公立図書館に常備されている本ではありますので、探してみる価値はあるのでは。

 これらをもとにマキノ版と伊藤版の差異を探ってみますと…

 まず冒頭、マキノ版ではいきなり左膳の顔が出てしまいますが、伊藤版では後姿で人相もわからない。その後小野塚道場の場面で「あいや待たれい。拙者代わってお相手仕る」とヌッと顔を覗かせ、ここで初めて片目の異形の容貌が知れる次第。徹馬が左膳の相手をするものの右手は袖の中。「右手はどうした。両手を出せ」と叫ぶと「出したい右手はござらぬのだ」とニヤリとして徹馬を打ち据える。これはショッキングだったろうなあ。うーん見たい。まあマキノ版では「いまさら」な感じがして最初からみせてしまったのでしょうけど。

 その後はだいたいマキノ版と同じ展開なのですが、左膳と栄三郎が対決するたびに蒲生泰軒が割り込んできて栄三郎を救う、という趣向。栄三郎弱いからね(^^;泰軒はマキノ版より活躍していたようです。

 一方、恋に破れた弥生は死を決意するものの、謎の火事装束の五人組に捕らわれ、いずこかへ連れ去られる。果たして弥生の行方は…?とここで第一篇の完。

 第二篇では冒頭から辻斬りに走る左膳。お藤もつい恐怖を感じて密訴してしまうのですが、捕り手に包囲され目潰しを食らって縄を無数にかけられ倒れる左膳に心が揺らぎ、自慢の鉄砲で左膳を助けてしまう、とこの部分はマツダ版の断片にも収録されています。

 マキノ版ではひたすらウロウロメソメソしている弥生ですが、伊藤版では男装して小野塚伊織を名乗り、別行動で左膳をつけねらう。五人組はどうなったんだって?これはまた後ほど出てきます。見世物小屋で手裏剣の妙技を見せる山椒の豆太郎を雇い、ともに左膳を追う。左膳が鈴川の屋敷の庭に乾龍を埋めているのを見たお艶の母・おさよが栄三郎のもとにいるお艶を取り戻すべく、乾龍を盗み出し、栄三郎のもとへ。お藤も左膳の心を得るべく、栄三郎方から坤龍を盗み出し、左膳に渡す。左膳は二つの刀をひとつにする好機と右から左へ走り、盗まれた刀は受け取れぬと左から右へと走る栄三郎と、細かいカットバックを経て、ばったり鉢合わせする両者。お互いに盗まれたものは受け取れぬと刀を交換し、そのまま斬り結ぶこと十数回…

このあたり、マキノ版ではまったくない展開。見たいなあ…

 やがて栄三郎は河に転落し、左膳が「南無三!坤龍死ぬなよ!」とマキノ版第1部の最後につながっていく。伊藤版第二篇はさらに話が進み、左膳の書状を持った与吉が相馬藩主に書状を届けます。左膳を助けるべく、月輪一刀流師範軍之進率いる一団が一路、江戸へ。途中の宿場町で泰軒が乱入して大暴れ、一刀流は半減するものの何とか江戸にたどり着き、左膳とめぐり合った軍之進は硬い握手を交わすのであった…とここまでが第二篇。

 解決篇はマキノ版と同じく大岡越前守の相馬藩主への詮議から始まり、左膳が裏切られて「おめでたいぞよ、丹下左膳」とつぶやく名シーン。この後、伊藤版では大名行列を追ってかつての仲間を切り捨て「殿、ごらんの通り乾雲丸はようく斬れますぞ」と高笑いして走り去る。

 一方、弥生をさらった五人組は、弥生を助けながら独自に二刀を追っていることが判明します。二刀の束に分けて隠された鍛刀の秘儀を手に入れることが自分たちの目的だと語る首領の兼光。

 深川の料亭で一刀流と酒席が開かれ、刀を手に舞う左膳。そこに紅絵売りに身をやつした栄三郎が通りかかり、障子に映る隻腕の姿を見て左膳を発見。路上で立ち回りにいたるものの勝負はつかず。

 恋に破れた櫛巻きお藤は破れかぶれで栄三郎の坤龍をかっぱらって逃げる逃げる。追う左膳。栄三郎。そして兼光たち五人組。折から越前守の放った捕り手が殺到し御用提灯の河に。男装の弥生も左膳を追おうとするが豆太郎が本性を現し弥生を襲う。豆太郎は実は弥生に情欲を抱いていたのだった…一方坤龍を追う左膳、さえぎる五人組、坤龍が空を飛んだ…


 と「まるでラグビー」なこの映画最大の見せ場は幸いマツダ版の断片に収録されています。以上の筋立てを理解したうえで断片を見ると、また印象は変わってくるはず。

 この後五人組を手から手へ坤龍がわたっていき、ようやくそれを左膳が手に入れたとき、豆太郎に襲われて瀕死の弥生を発見。左膳は一刀の元に豆太郎を斬り、弥生を抱え二刀を手に、捕り手の包囲の中を逃げるものの弥生は左膳を見分けることもできぬまま絶命。左膳ももはやこれまでと乾雲を自らに突き立てるのでした。ようやく駆けつけた栄三郎と泰軒の前を左膳の死体を戸板に乗せた捕り手がカメラに向かって進んでくるところで「完」。

 これは見たい!マキノ版など足元にも及ばぬ壮大さの片鱗が感じ取っていただければよいのですが。

 たぶん、この作品、海外のどこかに眠っているのではないでしょうか。チャンバラの定番であったこの作品、海外にも輸出されたのはほぼ間違いないでしょう。台湾で百数十本の戦前日本映画が発見された、という話が二年ほど前にあってそれきりになってますけど、その中にあるんじゃないだろうか?そんな期待を抱きつつ。私は待ち続けます。いつか必ず、という思いを胸に。
 
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月22日 23時2分

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喰霊-零-第7話

 前回あっさり死んでしまった冥。カテゴリーAとして復活…あれ、カテゴリーAって普通に人間にまぎれて日常生活できるんですか?

 まあそれだけ黄泉に対する怨念が強いってことなんでしょうが。冥の父は霊力がないようだし、なるほど。気付かれないかもね。だから黄泉がすれ違ったときに「おや?」と思うわけか。

 ここまで来ると黄泉の破滅まではあと一歩。ああ、自分の最愛の義父に先立たれ、しかもそのことを知りさえしないとなるとねえ。これは悔いが深まる。携帯切った時って、得てして大事な連絡が来るもんですよね(^^;

 そして自分の大事な妹にして年下の恋人(笑)みたいであった神楽はいつのまにか自分の技量を追い抜いている。もはや逃げ場はどこにもない。

 衝撃の展開で始まった本シリーズですけど、必ずしも「ためにする」感じの衝撃に寄りかかった展開ではなくなってきました。ここまで来るとようやく、あの構成が必然であったこと、必ずしも驚かすことが目的ではなく、黄泉の墜落に説得力を持たせるためにはこの形しかあり得なかったことが分かってきます。お見事。

 まあ、それはそれとして、ここまでキレイにダマされてしまうと、もうひとやまあるだろうと変な期待をしてしまうのも確かですけどね。

 そういえば、特戦4課の例の2人と神楽がちらっとすれ違いましたな。気がつかなかった方もいるでしょうが。彼らと最初に会うのは黄泉の方だと思っていたのでちょっと意外。

 何にしても終盤が見えてきました。やっぱこれ、13話完結なんだろうねえ…って、14話目から「零」が取れるだけかもしれんけどさ(^^:
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月19日 13時10分

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おねがいマイメロディきらら第33話

 今回は前半・後半ともになかなかの秀作。特に紅茶が切れたマイメロ様がおかしくなる…というかそれにかこつけて普段の倍ペースでいやがらせをするというのは予想される事態ではありますが、なかなか笑えました(^^;いや実際、ここまできっちりとギャグが詰まっている展開は久々じゃなかろうか。マイメロ様がエネルギー不足からバグるというのには大笑いしました。マイメロ様、電池で動くんかいな(^^;

 きららとクロミの正しい名前をちっとも呼ばずに延々ボケまくるというのはまあ考えられるパターンではありますが、ギララちゃんとか吾郎(だっけ?)とかもはやよくわからない領域にいたるまでとことんボケ倒すのはさすがマイメロ様。

 後半はマイメロパパの浮気疑惑ってことで、マイメロママの冷酷無残にして迫力あるマイメロママの怒りの表情を見ることができます。ここまでの怒りの表現は過去にもなく、いやおそろしいおそろしい(^^;怒りのあまり窓ガラスが割れるんやから。

 それだけに、最後のほのぼのオチはちょっとなあ。マイメロパパはそんな気はぜんぜんなくてママを喜ばせようとしただけなのに、ママは

 「そんなので私が喜ぶと思ったわけ?」

 とか残忍な笑みを浮かべてパパが石化するというラストが正しいオチだと思うんですけどね。
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月18日 23時59分

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無限の住人第10話「變面」

 やたらテンションが高く印象深いシリーズ初期の中にあって、あまり印象に残っていなかった川上新夜篇。しかしシリーズ最終盤の原作では新夜の息子が重要な役割を果たしているわけで、実は結構注目しておいたほうがいいエピソードなのかもしれない、なんて思ってみたり。

 もともと面作り職人である新夜なので、やたらエキゾチックな仮面は記憶に残ってました。そのあたりはわれらが真下社長も同じだったとみえて、原作では出てこない仮面の色彩にやたら凝ってたのが印象的でありました。

 今回はむしろ地味に正統派な敵討ち篇。討たなきゃならない敵役と心を通わせてしまうというのは実は時代劇のテンプレートでありまして、勝新の座頭市あたりでよく出てくるなあと思ってみたり。

 壮絶にメカニカルな活劇が展開された前回から打って変わって、ほとんど刀を交えず淡々と叙情すら湛えて進む今回のエピソード。なんだかまるで五所平之助みたい。…ってみなさん知らないか。それは残念。

 新夜はエキセントリックなアーチストでありまして、真下キャラで言えば引退したフライデーみたいな感じかな。何、かえってわかりにくい?それは失礼(^^;

 まあ万次と新夜の「芸術論」がひとつの見所であったりするわけで、そのあたり、見ていてなかなか刺激的な場面ではあるのですが。さすが社長は分かってるなあ、この深みのある作りこみ方は。

 ところで、このエピソード、原作者の沙村氏が登場するエピソードでもあったわけですが。放映開始段階でこのエピソードまで完成していた、ってどうにも早すぎです。第2シーズンはいったいいつから始まるのでしょう。うーん。3ヶ月ぐらい休んで春から?個人的には、1ヶ月ぐらい空けてすぐ再スタートさせてほしいんですけどね。どうせ隔週放映なんだから。

 あ、そうそう。沙村氏の声優演技は本人が言われるほどヒドいものじゃありませんでした。まあ、ほんのひとことだけなんですけどね。ふつうは素人が演技した場合、たちどころにバレてしまうぐらいシビアなものですから。なかなか健闘したといっていいんじゃないでしょうか。腹から声を出さず、若干口先でしゃべってる傾向がありますが。だからこそボロを出さずに済んだ、ということでしょうか。そうならば頭脳勝ち。ですね。
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月17日 23時0分

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テレパシー蘭第22話「蘭と謎の老人介護」

 蘭もいよいよ22話なんですねえ。全26話ならそろそろ大詰めなんですが、ここに来て妙に堅実な1話完結モノをコツコツ作っているというのはどういうことなんでしょうか。まさかこれ、4クール続くの?

 まあ全体計画はさておき、今回もなかなか堅実な出来栄え。最初からこういう感じなら、ジュブナイルSFの佳作ぐらいにはなれたのに。801ちゃんを主人公に、頑固者の老婆との心の交流が描かれるというのは、地味だけどいい感じ。まあ、いかにもNHKという感じの品のよさではありますけどね。いつもの超現実的な展開はこうなると何だったんだと言いたくなりますが。

 世界のあちこちで息を潜めて暮らすエスパーたちと通常人たちの思わぬ衝突とささやかな交流。そんな感じで地味にSF味の青春学園ストーリーとなってくれたら、これはこれですごく面白かった気がするけど。あさのあつこの原作とはかけ離れてしまいますからねえ。無理か(笑)

 いろいろ文句を言いつつもツッコミ所満載のウルトラ破綻怪作の路線が結構好きなんでしょうね私は。NHKらしからぬムチャクチャさというのもまたチグハグでいいし(^^;次回からまたそういう路線に戻るようですが(笑)最後ぐらいは無茶が見たいぞ!…って本当に終わるの?
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月16日 23時59分

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おねがいマイメロディきらら第32話

 ずいぶん遅くなってしまったので手短に。あと20話なんですよねえ。ボチボチ最終盤に向けて仕込みに入るはずなんですが。マイメロ様が植木に執着する傾向があるってのはこのころからだったのね(^^;

 「くるくる」で地球の一大事に植木に水をやっていた、って覚えてますか皆さん。え、はるか記憶の彼方?それもそうか(^^;

 バク君のモテ期をめぐるエピソード。バク君の哀愁が久々に感じられたという点でなかなか優秀ではないかと思うのですが、肝心のオチが後味悪くてどうにも困った。スタッフもそう思ったのか、ゾウ王様が久々にバタ屋姿でテレホンショッピング、という無関係な映像が追加されていますね。うーん。でもそれは結局、オチを解毒する作用まではないんじゃないか。

 ストーリー的には結構楽しめましたけどね。個人的にはバク君とマイメロというのは結構いいボケ夫婦になりそうな気がする。実際、マイメロとバク君がくっつく結末の2次創作マンガを描いている同人誌作家さんもいることだし。そしてその場合、一番反対するのはマイメロママだというのも予想通りで、今回はマイメロママの冷酷さをたっぷり見せつけてくれました。あな恐ろしや(^^;そもそもの原因であるモテ木3兄弟も「はい、おしまい」とあっさりぶちっと抜いてしまうし。

 なんか今回はきららとかぴよ王子の出番が少なかったですねえ。そういう意味ではいろいろと作品としてちぐはぐだった気がしますが。まあそれはそれで結構途中は楽しめるんだけど。
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月14日 0時57分

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喰霊-零-第6話

例によって定石を外してくるこの作品。黄泉をカテゴリーAに堕とす張本人かと思われた冥が真っ先に殺生石に取り込まれてるし(^^;何かこの読めそうで読めない感じが絶妙で、ついつい先を見てしまうという感じでしょうか。みんなほどよく手堅く作ってる今期の番組の中で、飛び抜けてトンがっているこの作品注目を集めるのも無理はないかと。

 ここ数回思い切ってお笑い路線に走ってそれはそれで楽しかったわけですが、やはりこの作品ならではの鬼気迫る超シリアス路線に戻ると、それはそれで居住まいが正されます。まるっきり世界観の違う内容が違和感なく同居しているのが演出力の巧みさというところでしょうか。このあたりから、いよいよ黄泉の地獄墜ちが始まるのかと思ってみたり。どきどき。するとこの作品、全13話なんでしょうか。

 あーでもそう思わせておいて、13話目で「零」が取れて、しかも神楽が死んでしまうとか(笑)絶対何かまた仕掛けてきますよ。だって、しれっとHPを改竄しておいて、特にそのことにはノータッチのままここまで話を進めてますからね。そして14話目からは原作版の主人公でありここまで未登場の弐村剣輔が黄泉を追い始めるとか。

 まあそのあざとい仕掛けが生きているのも地道で手堅い演出があればこそ。後半の夜の学校での展開なんて、古典的なホラー演出そのものです。ところがそれが陳腐に感じられず、ずっしり胸にくるホラーな演出。スクール水着の女子高生2人がロッカーに隠れたところを外側からガンガン殴る、なんて設定だけ聞くとある意味吹き出しそうなコテコテの展開なんですけどねえ。殴っているのが誰なのかはバレバレなんだけど、あえて見せないことによって、最後に別種の驚きを見せる。ああ、そうか、そういうわけだったのね。

 というわけでいよいよ何かが起こりそうな次回。ドキドキ…
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月12日 16時22分

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夜桜四重奏第1~3話

 今期のアニメ新番組総括をしようかとも思っていたのですが、気づいてみたらもう11月。関東の人にとっては「は?」という感じでしょう。それもこれもみんなダダ遅れの関西のネット事情がわるい(^^;まあ、やってくれるだけマシですけど(--;

 いや何がって、最後の最後に始まった「ミチコとハッチン」がまったくなんでいまさらな「孤児と血のつながってない母代わり」コンビのカビがはえたような話で。期待も大きかっただけに心底がっかり。マングローブ制作は前作の「エルゴプラクシー」がすばらしかっただけに、落胆もでかいというか。

 そしてこの作品。もちろん松尾監督の新作ってことで期待は大きかったんだけど、唯一不安要素だったのが脚本が花田君だったってこと。いや、花田君のことは有能な脚本家だと思ってますよ。高校時代からの古い知り合いだし、すっかり業界の売れっ子になってしまったことには正直すごいなあと思ってる。

 ただ、サービス精神が旺盛すぎる。あれだけ視聴者が望むものをてんこ盛りに詰め込んでストーリーが破綻しない、それなりに一本線の通った話が書けるというのは文字通り才能でしょう。でも、彼がその世界観をカケラも信じていないであろうこともまた、確かなわけで。要するに毎回思うことだけど、職人としてはよい腕の持ち主なんだろうけど、相変わらず彼が何を考えているのかさっぱりわからない。花田君、君の技量は十分すぎるほどわかったから、君の考えが知りたいんだけどな。

 それは、松尾監督との前回のコラボレーションである「ローゼンメイデン」でも非常に強く感じたこと。やっぱり何が言いたいのかよくわからない。松尾監督は花田君とコンビを組まなかったその後の2作品、「レッドガーデン」と「紅」で、非常に個性的かつ先鋭的な作風を示していたので、コンビ再結成となる今回、どちらの個性が強く出るか、不安を抱きつつも期待して見守っていたわけです。結果は…花田君の判定勝ち。色彩面では松尾監督の個性が強く感じられましたけど、内容はいたって職人的な花田カラー。あらら。

 非常に手堅くできているのは認めますよ。原作ファンは喜んでいることでしょう。ただ、これでは原作に忠実な「紅」ですよ。松尾監督が手がけるからには、もう少し批評的な演出が見たかった気がするんだけど。うーん。松尾監督も花田君相手だと遠慮してしまうんだろうか。

 特に今期は妖怪ハンターものが3本もそろってます。「喰霊-零-」「屍姫」そして本作品。今までさんざん表現され尽くしたジャンルだけに、いまさらやるからには新しい何かがほしい。その意味では、徹底的に反則技を駆使した(笑)「喰霊-零-」の圧勝。素人俳優を配置しありきたりのストーリーを何の疑問もなく提示する「屍姫」は論外。あの「ギルガメシュ」のむらた雅彦監督だってのに何をやっているのやら。

 そして本作は、ベテランコンビだけあってさすがに第1話は疾走感のある見事に手堅いエピソードを見せてくれましたけど。第3話にいたってそろそろ作画が劣化してきた気が。さすがにそんなにぐりぐり動かせませんしね。そもそも1話冒頭の非常に説明くさいナレーションは、脚本家としては慎むべきものではないですか。

 今のところ、「妖怪」という言葉が非常に空疎に感じられています。松尾監督ならではの批評性が発揮されていたら、もっと興味深く見られた気がするんだけど。もう2・3話様子は見てみるつもりですが、今回はこのへんで切るかもしれません。 
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作者:てんちょ

更新日:2008年11月10日 0時34分

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