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トップ > WEB > WEB - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年12月2日 8時)
元駐露グルジア大使キツマリシュヴィリが南オセチア侵攻の内幕を暴露
BBCによる糾弾番組以降、一気にグルジア批判を始めた欧米のマスメディア(欧米に見捨てられ始めたサーカシビリ)、そしてグルジア国内での政権批判の追求に、とうとうサーカシビリ大統領は南オセチアへの先制攻撃を公式に認めました。
「先に攻撃した」グルジア大統領認める 「正当」とも : 朝日新聞
そして12月にNATO外相会議で予定されていたグルジアとウクライナのNATO加盟の判断は、結論を先送りする事が決まりました。
NATO外相会議:グルジアとウクライナ、加盟候補国先送りへ 米、慎重姿勢に転換 : 毎日新聞
欧州はグルジア戦争の原因を調査し、来年夏を目処に国連に報告する予定です。結果次第ではグルジアのNATO加盟は更に遠のく事になるでしょう。NATO加盟に失敗すれば、サーカシビリ政権の存続は非常に危うくなります。
そしてこの大変に拙い状況の中で、耳を疑うような告発がありました。
元駐露グルジア大使、開戦当初の内幕を暴露‐ニコニコ動画
2008年11月25日、グルジア議会により南オセチアでの戦争の実相究明のため開かれた公聴会において、参考人として召喚された元駐露グルジア大使、キツマリシュヴィリは「戦争を始めたのはグルジア側である」と主張し、さらに「サアカシュヴィリとその取り巻きは5月にアブハジアを、7-8月に南オセチアに侵攻する計画を立てていた。一方的に米国の支援を当てにし、それがあればロシアは積極的に介入しないとの楽観的な予想をしていた云々」と当時の指導部の内情を暴露しました。この模様がTVで中継されたことで、グルジアの世論は現在大騒ぎになっています。Ex-ambassador blames Georgia for war with Russia : Associated Press
暴露話が本当だった場合、予想されていた以上にサーカシビリ政権の無能さが際立ちます。なんという楽観論で始めた戦争なのだろう・・・自身の何十倍も強大な敵に仕掛けるにしては、あまりにお粗末過ぎる気がします。
作者:JSF
更新日:2008年12月3日 1時11分
迎撃せずに直撃を受けるよりも迎撃して出来る破片を気にする変な人達
言い掛かりにしても、もう少し頭の良さそうな主張は出来ないものなのか・・・
ミサイル防衛:PAC3配備中止の要請書、市民団体が岐阜基地に提出 /岐阜 - 毎日新聞
自衛隊が2010年度までに、各務原市の航空自衛隊岐阜基地に迎撃ミサイル、パトリオット3(PAC3)配備のための予算を盛り込んでいることを受けて、周辺住民や市内の教員らでつくる「岐阜基地にパトリオットミサイルはいらない!行動実行委員会(海野修治代表)」は29日、配備中止を要望する申し入れ書を同基地に提出した。
申し入れ書では「PAC3がミサイルの撃ち落としに成功しても、破片は各務原市近辺に落ちてくる」などとしている。申し入れの前には、約40人が基地の周りをデモ行進した。
敵ミサイルの迎撃に成功して破片が降ってくるのと、迎撃せずに直撃して核爆発が起きるのとどっちがマシなんですか? 核弾頭の撃墜に成功した場合は核爆発は起きませんよ?・・・と反論されるまでも無く、なんで自分達で気付かないんですか・・・例え敵ミサイルが核弾頭ではなく通常弾頭だったとしても、直撃を受けるよりは破片の方がまだマシだなんて、誰にでも分かることでしょうに。
ただし、中途半端に破壊してミサイルの破片が大きなままであった場合には、被害が出る場合があります。湾岸戦争でスカッドミサイルをPAC2で迎撃した際、幾つかの事例で破壊しきれずに弾頭が落ちてきた例が報告されています。これは元は対航空機用のPAC2の弾頭が近接信管による起爆(爆発破片破砕効果)である為、敵ミサイルを十分に破壊しきれなかったからでした。
この湾岸戦争時のビデオの最後の方で、敵ミサイルにPAC2が2発命中(いや命中は1発か)しながら破壊しきれず、そのまま市街地に着弾していく様子を見ることが出来ます。この時の戦訓から「弾道ミサイル迎撃は直撃方式であるべき」との認識が強くなり、PAC3やSM3など、アメリカのMDは全て直撃方式による弾頭の完全破壊を目指しています。つまり破片による被害が少なくなる事を考慮しています。
もしこの反対している市民団体が「敵ミサイルなど放って置けば各務原市には落ちてこない、途中で迎撃するから各務原市に被害が出る」と考えているのであれば、自分達さえ無事なら他の日本の都市が破壊されようが構わないという、非常に傲慢な考え方です。それ以前にPAC3は射程が短いので「他の都市に向うミサイルを途中の都市の上空で迎撃」なんて真似は出来ません。もし各務原市でPAC3に出番がある時は、各務原市を狙った攻撃があった時のみです。しかしPAC3は車載移動式であり、有事の際は各務原市ではなく名古屋方面に配置される筈です。
岐阜基地にパトリオットミサイルはいらない! 各務原行動実行委員会
来年2009年2月ごろから夏にかけて、岐阜県各務原市にある航空自衛隊岐阜基地に、パトリオットミサイル(PAC3)が配備されようとしています。
“パトリオット”とは、英語で“愛国者”という意味ですが、PAC2の後継であるPAC3は、アメリカ・ブッシュ政権の先制攻撃戦略の中、ミサイル防衛構想として出てきたものです。「飛んでくるミサイルから国民を守ってくれるもの」だと考えるとしたら、とんでもない間違いです。先制攻撃をしかければ、当然にも反撃されるので、それを封じ込める体制を作ろうというものです。守るのは、政府中枢・皇居・軍事施設などであり、一般国民を守るのではありません。
射程の短いPAC3では都市防空に向いていないので一般国民を守るものではない、という主張を行った場合、「じゃあ射程の長いSM3は国民を守る為のものですよね」「PAC3の射程が不満ならTHAADを導入すべきですよね」という流れになる事は、彼らは理解しているのでしょうか。してないんだろうな・・・あとPAC3構想はブッシュ政権時の計画ではありません。PAC3の開発はERINT計画が始まった1983年からの話です。つまりレーガン時代からある古い計画です。実は、湾岸戦争の戦訓を得る前から、直撃方式による弾道ミサイルの迎撃が検討されていました。
作者:JSF
更新日:2008年12月2日 1時13分
軍隊以外でも武装クーデターは可能
当たり前の話なんですが、武装クーデターとは武装して行うクーデターであり、別に軍隊でなくても武装している集団なら実行は可能です。
発信箱:論文クーデター=広岩近広(編集局) - 毎日新聞
半藤さんはこう強調された。「自衛隊を軍隊にするのは反対です。なぜなら、どの国もクーデターは軍隊が起こしているからで、自衛隊を武装クーデターを可能にする軍隊組織にしてはなりません」
この話は作家の半藤一利さん(保守派の護憲派)から毎日新聞の広岩近広記者が聞いた話ですが、根本的に認識が間違っています。武装クーデターは武装組織ならばやり方次第でどのように存在にでも起こせる可能性があり、自衛隊が戦力そのままで名称を自衛軍あたりに変えたところで、今まで出来なかった武装クーデターが突然に可能となるわけではありません。
例えば実例として幾つかありますが・・・
「軍隊を持たない国が、他国から攻撃を受ける筈が無い?」
これは2年近く前に書いた話ですが、1988年にモルディブ共和国で発生したクーデターは、モルディブ国内の実業家がスリランカの傭兵を用いて決起し、インド軍によって鎮圧されたものです。当時モルディブは軍隊が存在せず、首謀者は軍人ではありませんでした。
また2000年のフィジー諸島共和国でのクーデターや、2004年のハイチ共和国でのクーデターは、反政府武装勢力が政権転覆を狙って起こしたものですし、2007年にアメリカで発覚したラオス人民民主共和国へのクーデター未遂計画は、退役アメリカ軍人と亡命ラオス軍人が傭兵を雇って総費用35億円で決行しようとしていました。
つまり正規の軍隊以外の集団で武装クーデターを謀る事は、意外と日常茶飯事に計画されています。もちろん、未遂に終わったり失敗に終わったりと成功率は低いのですが、どうしても戦力的に限定されてしまう以上、一か八かの大博打になりやすいです。ただ、傭兵を雇ってクーデターとか外国軍を誘致してクーデターといった手法は、古来より使い古された手垢に塗れたもので、一種の定番とさえ言えます。このやり方なら、当然の話ですが軍隊の存在しない国の方が簡単に政権転覆を狙えます。
作者:JSF
更新日:2008年12月1日 21時52分
「ラシュカレトイバ」「タリバーン」の背後にいるパキスタン三軍統合情報部ISI
インドのムンバイで起きた同時テロは200人近い死者を出す惨劇となりました。捕まった犯行グループの供述からパキスタンに本拠を置くイスラム過激派組織「ラシュカレトイバ」の関与が疑われています。これはまだ初期段階の情報なので確定ではありませんが、ラシュカレトイバが犯行グループだとするとインドとパキスタンの関係が非常に危うくなります。
何故ならラシュカレトイバはアフガニスタンのタリバーンと同じく、パキスタン三軍統合情報部ISI(Inter-Services Intelligence)の子飼い組織である疑いが濃厚だからです。
インドにおけるテロの新しい流れ : フォーリン・アフェアーズ
ラシュカレトイバは1989年にパキスタンの宗教組織が立ち上げた軍事部門だ。1990年代には、この集団はパキスタンの軍統合情報部(ISI)から資金と訓練を得る代わりに、ジャム・カシミールのヒンズー教徒をターゲットに攻撃を行い、インド内のイスラム過激派を訓練することを約束したとも言われている。
9・11後、アメリカ政府がラシュカレトイバをテログループのリストに公式に加えると、イスラマバードはこの組織を非合法化した。その後、この組織は地下にもぐり、分散し、違う名前を用い、テロの犯行声明を出さなくなった。しかし、ラシュカレトイバは、2001年12月のニューデリー議会の襲撃テロ、2006年のムンバイの列車爆破テロ、2007年2月のインド・パキスタン横断鉄道の爆破事件にも関与していると考えられているし、2008年11月のムンバイでのテロへの関与も取りざたされている。
そこで今回のインド同時テロに関して、ISI長官がインドに呼ばれて直接問い質される事になっていたのですが、僅か数時間後に取り止めになりました。
パキスタン:ISI長官訪印を撤回 軍統制の弱さ露呈 - 毎日新聞
911テロ後、公式にはラシュカレトイバとISIとの関係は切れたことになっていますが、インド側はそうは思っていません。これはアフガニスタン政府がタリバーンとISIの関係が切れていないと思っているのと同様です。そしてこれについてアメリカやヨーロッパ諸国も同じ疑いを抱いています。パキスタン政府はISIを統制できておらず、ISIは独自の活動を行っていると疑われています。この事についてパキスタン政府自身も頭を悩ませています。
情報機関の政治部門廃止か パキスタン
【イスラマバード24日共同】パキスタンの民放ドーンニュースなどによると、同国政府筋は23日、軍の情報機関「3軍統合情報部(ISI)」の政治部門を廃止すると語った。本来の任務である情報活動に人員を配置転換し「テロとの戦い」に傾注するとしている。
政策決定にもかかわるISIは絶大な影響力を誇り「国家内国家」とも呼ばれ、国内政治にも度々介入してきた。政府高官は同ニュースに「(ISIは)今後、政治家の調査や政治工作、操作は行わない」と語った。
今回の「廃止」には、政権基盤が弱く軍とのかかわりが薄いザルダリ大統領が、ISIの影響力を排除しようとする狙いがありそうだが、その実現可能性を疑問視する声もある。
ISIは旧ソ連軍による1979年のアフガニスタン侵攻後、イスラム過激派に資金を供給し、アフガンの旧政権タリバンやパキスタンのイスラム武装勢力を育成したとされる。
1948年に設立されたISIは、クーデターで成立したパキスタン初の軍人政権アユーブ大統領の時代、1950年代後半から急激に権限が拡大され、今やパキスタン国内で強大すぎる存在と化しており、ザルダリ政権はISIの権限を取り上げようとしています。2ヶ月前にISI長官の首を挿げ替えたのに続き、大胆な組織改革を行おうとしています。
しかし5ヶ月前の7月の段階で仕掛けた、ISIを内務省の管轄下に置こうとする政治闘争は軍部の強い反対に遭い頓挫しており、今回のザルダリ大統領の目論見が実現するかどうかは全く不透明です。下手をすれば暗殺の危険性すらあります。この国では昨年、ブット元首相が暗殺されたばかりです。
ISI長官の首を挿げ替える程度のことはムシャラフ前政権の時代にも行われており、前長官のナディーム・タジ、前々長官のアシュファク・パーヴェズ・キヤニ、前々々長官のエサン・ウル・ハクの何れもムシャラフ派です。4代前のISI長官マフムード・アーメドはムシャラフと仲が悪く、タリバーンと深い繋がりがあり、911テロ実行犯の関係者への資金提供の疑いがあったことで解任されています。ISIはアルカイーダ本体との繋がりすら疑われており、この時にムシャラフ政権はISI内部を浄化した筈でした。ですが、水面下で表に出さないように処理してきた為に粛清しきれてはいませんでした。
2001年のインド国会襲撃事件でも、犯行グループ(「ラシュカレトイバ」ないし「ジェイシモハメド」が疑われるも犯行声明無し)とパキスタンISIの関与が疑われ、印パ両国は国境線に大規模な兵力を移動させ、一触即発の状況になりました。印パ両国が1998年に核武装した後、1999年にカシミールでカルギル紛争が起きた時には、全世界が核戦争への発展を懸念しました。核武装国同士の直接戦争は小規模な紛争レベルであっても常に核戦争の危機を孕んでいます。
印パの情勢不安、アフガニスタンでのタリバーン掃討、そしてアルカイダとの対テロ戦争について、パキスタン三軍統合情報部ISIは現在も鍵を握り続けている疑いがあります。パキスタン政権によるISIのコントロールが失敗に終わった場合、最終的にはアメリカが動き出すでしょう。そして次期アメリカ大統領バラク・オバマは、パキスタンへの介入を積極的に行う事を政策に掲げています。次期オバマ政権では国防長官にゲーツ長官が留任する可能性が高くなっていますが、これはゲーツ長官が主導したイラクで行われている新戦略(敵勢力の一部を味方に引き込む)が評価されているのと同時に、元CIA長官であるゲーツ長官が同じ情報機関であるISIへの対応に適していると判断されたのかもしれません。
作者:JSF
更新日:2008年11月30日 3時43分
自衛隊、M31単弾頭とレーザーJDAM導入へ
ようやくM26クラスター・ロケット弾の代替兵器候補としてM31ユニタリー・ロケット弾の名前が実際に出てきました。報道されるのは恐らくこれが初です。
クラスター弾全廃を決定=精密誘導弾で代替-政府 : 時事通信
今後は、子爆弾を出さない単弾頭型で命中精度の高い精密誘導弾の「M31ロケット弾」と「レーザーJDAM」を導入し、防衛力を維持する考え。防衛省は09年度予算で、クラスター弾廃棄に向けた調査費2億円と、精密誘導弾の整備費用73億円を要求。廃棄費用は200億円規模に上るとみられる。
クラスター爆弾規制方針が決まったダブリン会議の直後から、M31導入を唱え続けていたので、これで一安心なのです。M26クラスター弾頭の単弾頭化改造案は無くなったのか、それともM31単弾頭の導入と並行して行うのか、これはまだ詳細が分かりません。それと以前お伝えしたレーザーJDAMの件、朝日新聞8月30日朝刊の報道が正しかったのです。
「防衛省、MLRSクラスター弾頭の単弾頭化を検討」
「LJDAM導入の可能性?」
このレーザーJDAMの件について、ネット版の記事が出ていないからといって、原典の記事をチェックせずに、他人が新聞記事をネット上に転載した内容を鵜呑みにし、転載ミス(その人は悪気があったのではなく単なる思い込みでのウッカリ)に気付かず、朝日新聞の記事を非難した事は申し訳なく、謝罪します。今後は可能な限り自分の目でソースをチェックする事を心掛けたいと思います。
そうすると8月30日の段階でレーザーJDAMの件を報じた朝日新聞はスクープ報道をしていたことになります。調べてみると10月発売の航空専門誌(航空ファン、航空情報)でレーザーJDAM導入の記事があり、これが二番目で、そして今回の報道で三番目になるので、朝日新聞の報道はかなり速かったわけです。
レーザーJDAM導入で爆弾誘導キットとは別にレーザーターゲッティングポッドも導入する必要があります。
さてM31ユニタリー・ロケット弾(MLRSを進化させたGPS誘導GMLRSの単弾頭型)の話に戻りますが、5月の終わりにクラスター爆弾の規制がダブリン会議でほぼ決定した際に、私は真っ先にM31(XM31)の導入を最優先で緊急に行え、と書きました。
「クラスター爆弾、対戦車誘導型以外を全面廃棄へ」
これは元々、防衛省の中ではクラスター爆弾規制の話とは無関係に数年前からGMLRS導入の話が出ていたので、当然すんなりと決まると思い込んでいて、M31導入論など他の人でも誰でも思いつくありふれた意見だと認識していました。しかし実際には全くM31の名前が上がってこず、一部の新聞に至っては「クラスター爆弾規制でMLRSが全廃される見通し」などと信じられない事を言い出す有様でした。
「MLRSを全廃? 東京新聞は何か勘違いしているのでは・・・」
この時に自分が受けたショックは大きく、「そんな馬鹿な事がある筈が無い」と、この新聞報道を全否定する記事を書いたわけですが、今から見ると記事内容はともかく記事タイトルが疑問形で弱弱しく、当時一向に何処からもM31導入の話が出てこない困惑感から弱気になっている様子が見て取れます。
「『経済界』7.15号で田岡俊次氏が「MLRS調達費用2千億円が無駄になる」とトンデモ主張」
暫く後では立ち直りましたが。
「どのみちMLRSクラスター弾頭型は廃棄される方向にあった」
この記事は私が書いた一連のクラスター関連記事で最も重要なものです。アメリカは、ダブリン会議の決定とは無関係に2年前の時点でMLRS用クラスター・ロケット弾の生産を見合わせ、M31単弾頭ロケット弾の生産に重点を置く事を決定済みでした。M31がMLRSのスタンダードとなる事はとっくに確定していた事でした。
「MLRS単弾頭M31ロケット弾の実戦動画」
そしてM31が実戦で効果を上げている事を紹介しました。積極的にM31ユニタリー・ロケット弾の記事を書き続けました。しかしM31を導入する話はまるで報道されず、それどころかM31の存在に触れる記事すら殆ど出てきませんでした。ダブリン会議の決定以後では他に唯一、軍事研究8月号で野木恵一氏がクラスター爆弾特集記事を書かれた際に紹介されたのがあるくらいです。
そしてダブリン会議から半年が経って、ようやくつい先週に代替兵器について「GPS誘導のロケット弾」の話が出てきました。明らかM31の事です。そして今回初めてM31の名前が報道に出てきました。時事通信以外にも各マスコミで一斉に報じられています。今の今まで名前が出てこなかった理由についてはよく分かりませんが(予算獲得交渉が影響?)、取り敢えずはこれで一安心です。M31の導入とM270発射器の改修(装填した弾頭へ目標位置座標データの入力作業を行えるように)で、陸上自衛隊のMLRSはGMLRSに進化します。クラスター・タイプのロケット弾は使えなくなりますが、M31の長大な射程と精密誘導能力ならば、戦術の転換が迫られますが、総合的に見てむしろ自衛隊の戦力はアップするものと思います。
後の問題は調達予算です。
作者:JSF
更新日:2008年11月28日 23時9分
インド海軍が撃沈した海賊船、実は乗っ取られた民間漁船と判明
先日、インド海軍のフリゲート「タバール」がアデン湾で海賊船を撃沈したのですが、実はタイのトロール漁船で、海賊に乗っ取られたものだったらしく・・・漁船乗組員が撃沈時に海賊と共に乗船していたかどうかは不明ですが、十数名が行方不明のままです。
インド洋での海賊退治の困難さがいきなり露呈されてしまいました。もし日本も海上自衛隊の艦艇を出して、これと同じ様な事をしてしまったら、大変な事になります。時の政権など吹き飛んでしまいかねません。相手船に臨検班を乗り込ませれば様子を探れるものの、送り込むのに手間が掛かる上に、敵船上で反撃されれば臨検班が重大な危機に晒されます。距離があるうちに艦載砲で処理してしまえばこちらは安全ですが、どうしてもこのような誤認、巻き添えの問題が発生し易くなります。
一方でインド海軍側は、ただのトロール漁船にしては爆発が派手すぎると懐疑的です。
「攻撃を受け沈んでいく船籍の写真を見ると、非常に大きい火柱が立っていることが分かる。つまり、船には大量の武器が積まれていたということ以外に他ならない。ただのトロール漁船があんなに激しく爆発するわけがない」
インド国防省関係者は、「重要なのは、敵がわれわれを攻撃しようとして、われわれの行為は正当防衛だったということだ…船がなんであったとしても。あれは公海上の海賊船で、その行為は挑戦的だった」と語った。
ただ、漁船の爆発といえば、ちょうど1年ほど前に日本の根室沖でサンマ漁船が激しい炎上の末に沈没した事例があり、その時の火災の様子が今回のタイ漁船炎上の様子と酷似しています。あの時のサンマ漁船は、とても只の漁船が炎上したとは思えない派手な爆発振りでしたが、もしも「漁船の爆発とはこういうものだ」というデフォルトであるならば・・・2つの事例をちょっと見比べてみて下さい。
【北海道】サンマ漁船が爆発、沈没(画像あり) : 2007/09/27
・・・・インド海軍、やってしまっちゃったのかも・・・・
作者:JSF
更新日:2008年11月28日 1時59分
自衛隊をダメにする田母神前空幕長の統幕学校長時代の思想教育
田母神前空幕長が統幕学校長時代に呼んできた講師陣の面子を見て・・・本当に駄目だこれは、と思いました。アパ論文問題よりも重大で深刻な事態です。
統幕学校「歴史観」講義内容判明 講師に桜井よしこ氏ら : 朝日新聞
統幕学校講義、田母神論文と共通点も 防衛省、内容公表 : 日経新聞
コミンテルン陰謀論を教えている講師がいる・・・とてもじゃないですが軍隊の将官に施す教育ではありません。何処の民族右翼過激派の勉強会ですか、これは。もうこの件は田母神の個人的な問題じゃなくなりました・・・トップダウンでこんな事が発令されて教育されていたのでは、組織そのものの責任問題になります。佐藤守・元空将が田母神論文を「幹部教育に適した内容」と評していたのは、こういった背景があったからなのですね。そりゃ論文を書いた当の本人が幹部教育を主導していたら、似たような内容の教育が行われていて当然でしょうね。
「歴史観」科目廃止も=統幕学校の幹部教育で防衛省 : 時事通信
当然ですがそのような教育方針自体がおかしいのであって、科目自体が無くなるか、講師の選任方法が統幕学校長の独断で行えないように多重チェックを通し監視する事になります。科目自体要らないと思いますけどね。先の大戦の歴史について学ぶ事は、失敗を教訓として活かし次の未来へ繋げる事の筈です。不要な戦争を回避する事、あるいは不幸にも戦争になった場合に負けたりしない事。それが軍人の役目でしょう。それなのに「日本は悪くなかった」という教育を施して何の意味があるんですか。負け戦をしたという、ただ一点の事実だけで、それは罪です。愚かにも負け戦からの教訓を得ようとせずに開き直っているようでは、次の戦争も負けるでしょう。
なお田母神前空幕長は隊内誌「鵬友」04年3月号で以下のような事を述べています。
航空自衛隊を元気にする10の提言~パートⅡ 田母神俊雄
7 身内の恥は隠すもの
身内の恥は隠すものという意識を持たないと自衛隊の弱体化が加速することもまた事実ではないか。反日的日本人の思う壺である。
自衛隊の精強化を望まない人たちは、どんなことにでも隠蔽体質とか言って攻撃をしてくるであろう。念のために断っておくが私は公開すべきものを隠せと言っているわけではない。各級部隊指揮官が、もはや何もかも公開しなければならないと思い、部隊や隊員を保全するという意識が低下しているのではないかと心配しているのである。情報公開法が我が国や自衛隊の弱体化を目論む人たちに利用される可能性についてもっと注意を払うべきだと思うのである。自衛隊は我が国有事に際し部隊の行動を秘匿しながら作戦を実施しなければならない。そのために常日頃から保全を意識した隊務運営を心がける必要がある。公開を要しない事項については徹底的に秘匿するということで、有事のための訓練をしていると思えば良い。秘匿すると決めたことを秘匿できないようでは作戦遂行に大きな支障が出る。指揮官はそれが出来るまで部隊を鍛えるべきである。もし現状でそれが不可能ならば、これを作戦実施上の重大な問題として認識しておくことが必要である。もし秘密が漏れたならば、なぜ漏れたのか、誰が漏らしたのかを徹底的に追求しなければならない。それが秘密漏洩の抑止力になる。それは国家のため、国民のために必要なことなのだ。自衛隊の秘密保全の態勢は、諸外国の軍と同様に完璧であることを求められている。私たちは航空事故ゼロを目指すと同じように秘密保全についても完璧を目指して努力すべきなのだ。
軍事機密は非公開が当然であり、軍事に関する事は徹底的に隠匿してくださって結構です。ですが、身内の恥を隠すのも有事の時の軍事機密保全の練習になるから、普段から軍事に関係無いことでも積極的に隠匿しろ、ですって?
ああ、この愚か者をクビにするのが遅過ぎました。
空自学校長が部下にセクハラの疑い 更迭、報道発表せず : 朝日新聞
空自空将補セクハラ:空将補を懲戒へ 浜田防衛相に報告せず : 毎日新聞
これも田母神前空幕長の方針だったのですね。・・・本当に馬鹿じゃなかろうか・・・結局のところ、田母神前空幕長の歴史観とは、「日本の恥は隠すべきであり、それを公開するのは自虐史観である」という事なのでしょう。あまりにも小物臭くて涙が出てきます。とても人の上に立つ器じゃないです。どうしてこんな人を出世させてしまったんだろう・・
作者:JSF
更新日:2008年11月26日 23時6分
改憲と徴兵制を結び付ける、時代遅れの主張
何とも懐かしい物を見た感じになりました。ここ数年でネット上からはほぼ完全に駆逐できた主張でしたから・・・
講演:元防衛庁幹部、小池・新潟県加茂市長「平和憲法こそ国を守る」--金沢 /石川 : 毎日新聞
小池市長は、朝鮮戦争や湾岸戦争を振り返り、「平和憲法があったから派兵がなかった」と語り、そのうえで、自民党が検討する憲法改正案に触れ「海外派兵を認め、自衛隊員が足りなくなれば、徴兵制が導入される」と警告した。
数年振りに見た改憲と徴兵制を結び付ける主張ですが、これに対する問い掛けは簡単です。
「アメリカやイギリスは海外派兵しまくりですが、別に徴兵制ではないですけど?」
それでは新潟県の小池清彦・加茂市長さん、お答えをどうぞ!・・・って、答えようが無いし答える気も無いしスルーするんでしょうね・・・小池市長は東大法学部卒で防衛庁に入庁した元・背広組です。もし防衛庁時代にこんな寝言を言っていたら問題視されていたかもしれませんが、今の立場なら好きに言えばいいです。でも、簡単なツッコミで立ち往生するような稚拙な論理を振り翳さないで欲しいですね。
補習授業形式:「徴兵制解説シリーズ」
週刊オブイェクト:カテゴリー「徴兵制」
これだだけ見て頂ければ「憲法改正と徴兵制は全く結び付かない」事がよく分かると思います。自民党は一時、憲法改正案に徴兵制禁止を明記しようとすらしていましたし。
さて、加茂市長に問い合わせのメールを送るにはこちらで宜しいのでしょうか。
加茂市公式ホームページ
"市長宛"というのが無いけど、どうしましょうか。加茂市宛で、いいかな。
作者:JSF
更新日:2008年11月24日 22時8分
ターボプロップの軽攻撃機では攻撃ヘリの代わりにはなれない理由
久しぶりにキヨさんのブログを見に行くと、「陸上自衛隊は攻撃ヘリの代わりにターボプロップの軽攻撃機を採用しろ」という記事が二つもあり、果たしてこれは釣りか何かかと思いましたが、どうやら本気らしいのです。
どこからツッコメばいいのだろう?
ああそうか、「なぜヘリが対戦車攻撃に有効なのか」を一から説明しないとダメなのか・・・
攻撃ヘリの代わりにターボプロップの軽攻撃機、という選択。その1 : 清谷信一公式ブログ
攻撃ヘリの代わりにターボプロップの軽攻撃機、という選択。その2 : 清谷信一公式ブログ
知り合いの一等陸尉にこのネタを振ると『NOEとか地形利用の待ち伏せって意味がわかってないんじゃないかな。』という感想で苦笑いしていました。ヘリコプター(回転翼機)と軽攻撃機(固定翼機)の飛行特性の違いからくる運用方法の違いは、基本中の基本の筈なのです。
NOE(Nap-of-the-Earth)飛行とは地形追従飛行の事で、匍匐(ほふく)飛行と訳されます。地形に沿って低高度を維持したまま飛ぶ航法で、回転翼機は固定翼機に比べて地形追従能力が高く、より低い高度を飛ぶ事が出来ます。これは単に回転翼機が固定翼機より速度が遅いから地形追従し易いというだけが理由ではなく、速度を急激に落としても失速しない事、空中で停止する事さえ出来る事(車で例えるならブレーキの付いている車と付いていない車の差)の違いがあります。また他には、固定翼機が前方に障害物を見つけて回避の為に上昇するには、昇降舵を用いて機首を上げて高度を確保しなければならない為、高度を稼ぐには同時に距離が必要であり、前以て上昇を始めなければなりませんが、回転翼機の場合は回転翼のピッチ角と回転数を制御して上昇する為、機体の上下運動が直接的に行えるので反応も良く、いざとなれば停止してからの上昇すらできるので、障害物により接近してから上昇を始めても間に合います。固定翼機は断崖絶壁に直面した場合は地形追従飛行は出来ませんが、回転翼機ならば可能です。強力な推進力のある固定翼機なら崖に沿って垂直上昇も可能ですが、仮にそれをやっても崖の上に出た後に空中高く飛び出してしまいますし、小さな崖の連続ともなると全く対処できません。そもそも爆装して重くなった機体がそのような曲芸飛行をする事は不可能です。それに対し回転翼機ならば崖の連続した地形であろうが這うような飛行を維持する事が出来ます。
この為、ヘリコプターは森林地帯ならば樹木の梢(こずえ:tree-top)の上を掠めるように飛んでいく事が出来ます。渓谷地帯ならば川沿いに樹木よりも低く飛ぶこともお家芸で、市街地ならば電信柱の電線の高度レベルにすら下がれます。湾岸戦争やイラク戦争などの障害物の少ない砂漠地帯の戦場では、高度3~5mという文字通りの地面スレスレで飛行し、小さな砂丘の陰に隠れながら侵攻していきました。もうこのような飛行を行われると目視での確認も難しく、障害物や地球の丸みの影に隠れてしまい、地上設置のレーダーでは捕捉が困難で、AWACSなどの空中からのレーダーでも、目標が低すぎてグランドクラッター(地表の障害物から反射するエコー)に紛れて捕捉は困難です。
回転翼機は固定翼機では真似する事の出来ない低高度の飛行維持が可能であるという利点の他に、垂直離着陸が可能である事、空中停止(ホバリング)が可能であるという点も重要です。つまり攻撃ヘリコプターは長時間、障害物に"隠れ続ける"事が可能です。ホバリングしながら地形に隠れて待機、目標を攻撃、後は地形に隠れながら離脱という戦術が取れます。また攻撃ヘリコプターを作戦地帯付近の隠匿できそうな地点に降下、地上で待機し、観測ヘリコプターないし無人偵察機などからの情報を持って出撃し不意打ちを行うなど、様々な戦術が取れます。
一方これが固定翼機ならば地形に隠れ続けるなど不可能で、単純に飛んできて攻撃、退避を行うだけになります。固定翼機は回転翼機ほどに低高度飛行を維持することはできないので発見されやすく、速度が多少速かろうと生存性は期待出来ません。現在、各国の軍隊が攻撃ヘリコプターの任務を固定翼の軽攻撃機に行わせようとしていない理由は其処です。個人兵士レベルで携帯対空ミサイルランチャーが装備されている現代に、発見されやすい高度を飛ぶ軽攻撃機が生き残れる筈が無いのです。ヘリコプターよりも発見されやすい以上、戦場で生き延びる為にはより速い速度と重装甲が必要で、ターボプロップエンジンの軽攻撃機というような中途半端なカテゴリーでは両立は難しく、結局はターボファンジェットエンジンを搭載して、被弾しても帰ってくるには双発じゃないと・・・となると、どうしてもA-10やSu-25といった本格的な対地攻撃機が必要となってしまいます。
結局の所、ターボプロップの軽攻撃機で対処して良い相手は、対空兵器を持っていないような装備レベルの低強度ゲリラ相手が限度です。対ゲリラ用装備としてよく売れたアルゼンチンのIA58プカラ軽攻撃機は、フォークランド紛争でイギリス軍相手には殆ど役に立ちませんでした。展開した25機壊滅と引き換えに得た戦果はヘリ1機撃墜のみです。エンブラエル・スーパーツカノは仕様用途が麻薬組織狩りであり、まともな軍事用としては最初から想定されていません。これ等の機体を攻撃ヘリの代わりに戦場へ投入する行為は、赤とんぼ練習機で特攻を仕掛けるのとあまり大差は無いでしょう。
撃墜されても構わないUAV(無人機)に武装を施したものなら、ターボプロップの軽攻撃機でも構わないと思いますし、実際にアメリカ軍がアフガニスタンとパキスタンの国境で多用しています。島嶼戦に投入する場合でも、航続距離が有人軽攻撃機よりも遥かに長い無人軽攻撃機ならばかなり役に立ちそうです。偵察、監視に加え攻撃も可能であるならば、攻撃ヘリの代替は無理でも無人軽爆撃機の存在価値は高いでしょう。こういった観点なら無理が無いのに、どうして有人軽攻撃機などを持ち出したのか・・・清谷さんの発想はよく分かりません。
ちなみに昨年、スリランカでは反政府ゲリラLTTE(タミル・イーラム解放のトラ)が空軍を結成、首都近辺の奇襲爆撃に成功しましたが、この時に使用した機体はチェコ製のZlin-143という小型民間機で、4人乗りの後部座席2つを潰して直下の機外に小型爆弾を4発積む改造を施したものです。
Tamil Tigers unveil latest tactic : BBC News
ノリノリで写真撮影に応じるLTTE空軍の皆さん : Military photos . netより
迷彩塗装がスリランカの植生と合ってない気がしますが、とにかく軍用機っぽくなって気合が入っている感じです。防空警戒網が無いに等しいスリランカ空軍はZlin-143改の奇襲爆撃を食い止める事が出来ず、ロシア製のMiG-27M戦闘爆撃機やイスラエル製のクフィル戦闘機といった本格的な機体を保有しているにも拘らず、有効な反撃を行えていません。スリランカ空軍は以前、アメリカにA-10攻撃機が欲しいと要望した事もありましたが(保有するプカラ軽攻撃機の撃墜が相次いだ為)、それ以前にやる事があるような気がします。軽攻撃機が通用するような正規軍とは、これぐらいのレベルの低い軍隊ぐらいのものでしょうね。とはいえ本気で狩り出せばZlin-143程度が何時までも生き残れる筈が無いのですが・・・そういえば今年は機影すら見せていませんね。
【追記訂正】
┏┫ ̄皿 ̄┣┓<コンチワー
LTTEの空爆なんですが、今年になってからも続いてますよ。撃墜されたりもしてるようですが。
http://yy55.60.kg/test/read.cgi/robo7c7cplus/1195730213/601-602
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1218932240/134,136,154,375,378
Posted by ナナシ=ロボ at 2008年11月24日 10:17:43
LTTE空軍のZlin-143による空襲は今年に入っても続いており、通算7回目にしてスリランカ空軍のF-7戦闘機(殲撃7、中国版のMiG-21)に撃墜されてしまったようです。さすがに何時までも無傷というわけには・・・いや、よく持った方ですよね・・・
作者:JSF
更新日:2008年11月24日 2時30分
インド洋で活動中のドイツ海軍、武器使用基準緩和を検討
現在ソマリア沿岸では当事国の了承の元、国連の要請もあり、各国の海軍が艦艇を派遣、既にイギリス海軍とインド海軍が海賊船を撃沈するなど掃討戦が始まっています。ロシアNATO大使ドミトリー・ロゴージンはソマリア沿岸へ地上戦を実施して海賊の拠点を叩き潰せと主張していますが、流石にこれは実現は難しいです。(ロゴージンはロシア民族派愛国主義政党ロージナの代表でもあり、過激な発言は何時もの事ですので、発言は大抵スルーされます)また、新たに韓国海軍も駆逐艦をインド洋に派遣し、活動を開始する予定です。
そんな最中、インド洋に艦艇を派遣しているドイツ海軍は、現地での活動を積極的に行う為に、武器使用基準の緩和を検討しています。
海賊対策 独、武器使用緩和へ ソマリア近海 船舶検査抵抗時に : 東京新聞
【ベルリン=三浦耕喜】ドイツ政府は二十一日、ソマリア近海で相次ぐ海賊被害に対応するため、船舶検査での武器使用基準を緩和する方針を固めた。独国防省筋が本紙に明らかにした。政府は年内に連邦議会の同意を得たいとしている。
ドイツは現在、米軍主導の「不朽の自由」作戦(OEF)の一環で艦船を派遣し、ソマリア近海のアデン湾などで警戒に当たっている。だが、同作戦はアフガニスタンへの武器流入阻止が主目的で、海賊の拘束は任務外。船舶検査も相手の同意が必要となる。
実際、今年四月に日本の大型タンカーが海賊船から発砲された事件では、直後にドイツ軍の艦船が不審船を捕捉したが、武器で抵抗するそぶりを示したため、検査を断念した経緯がある。
このため、ドイツ政府は緊急時の武器使用権限を拡大することで、相手の同意がない場合の船舶検査や、相手船舶からの武器押収を可能にするという。ただ、新基準の下では海賊との「交戦」も想定され、連立与党内から異論も出そうだ。
ドイツ海軍のエムデン号が、日本のタンカーを襲った海賊船の臨検を断念した経緯は、以下のエントリーでも触れました。
「また産経ですか・・・エムデンの艦載ヘリが海賊船を追い払ったわけではありません」
「エムデン報道で京都新聞に劣る産経新聞の姿勢」
この時にも述べましたが、エムデンが臨検できなかった件については「ドイツにも日本と同様の問題がある。共にどうするか考えていこう」とすべき話であって、もし当時に産経新聞がそのような内容の記事を書いておけば、今回のドイツ海軍の武器使用基準緩和の話に繋げて「日本もドイツを見習って武器使用基準を緩和しよう」と訴えることも出来たわけです。しかしエムデンの活躍を強調したいがあまり、臨検できなかった件を全力でスルーしていた産経新聞が今更になって都合の良い箇所だけ摘み食いしてドイツ海軍を持ち出して武器使用基準を緩和しろと言い出した場合、あまりにも節操が無い話で、まぁ何と言いましょうか、なんとも阿呆なことをしたもんだなと冷笑するぐらいしかできませんね。
産経新聞が初志貫徹してエムデンが臨検できなかったことを報道しない方針を貫いた場合、ドイツ海軍が武器使用基準を緩和する事を大々的に報道できません。武器使用基準緩和を大々的に報道した場合は、以前の報道との整合性が問われます。産経的に美味しいネタが転がっているのに料理できない状況を自らから作り出してしまたわけで、後先考えずに大局的な視点を放棄して子供じみた報道を行ったツケが回ってきています。
現時点でドイツ海軍の武器使用基準緩和の話題を報道している日本マスコミは東京新聞だけです。産経新聞は後手に廻るでしょう。もしかしたら触れる事すらできないかもしれません。
私は、海上自衛隊のインド洋での活動は補給活動に専念すべきだと思っています。海賊退治に参加するのであれば、最低でもドイツのように武器使用基準を緩和し、きちんとした交戦規定を定める必要があります。その上で自衛隊が戦闘を行い死者が出ることへの政治的リスクを踏まえた上で、行かせると政府が決断したのであれば、それは仕方のないことですが、よく考えもせずに、行け行けGoGo的な気楽なノリで行かせる気なら、止めた方が良いです。
インド海軍のフリゲート「タバール」(ロシア製クリヴァクⅢ型輸出バージョン)は、海賊退治に重砲を持ち出しました。そんな物を撃ち込めば、死者が出ることは避けられません。自衛隊の駆逐艦が127mm砲を撃ち込む覚悟はあるのか、そして臨検で相手の船に乗り込んだ後で戦闘になった時、船内銃撃戦を行う覚悟があるのか、殺し殺されるリスクをよく考えなければならない筈です。海賊との戦闘は、PKO派遣やイラク派遣などよりも遥かに簡単に死人が出ます。ドイツ連邦軍はすでにアフガニスタンの陸地で殺し殺される経験を積んでいますが、自衛隊にまだその経験はありません。初めての重みを背負うだけの価値がある戦場なのか、もっと議論すべきです。何時の間にか派遣が決まった、という事態にはならないで欲しいです。
作者:JSF
更新日:2008年11月23日 5時13分
自衛隊は「最新型」クラスター爆弾の調達を行わない方針
12月3日にオスロで行われる「クラスター爆弾禁止条約」の調印式に、日本政府が署名・批准する方針ですが、自衛隊は全てのクラスター爆弾を廃棄し、条約の認める例外の「最新型」も調達を行わない方針を固めました。
クラスター爆弾:「最新型」も導入せず 政府方針> : 毎日新聞
政府は人道上、不発弾による「副次的被害を避ける」ことを重視。最新型でも不発弾による被害が完全になくなる保証がなく、コストもかさむため、導入を見送り、子爆弾による被害の根絶を目指す方針を決めた。
同時に条約の規制による影響を「極小化」する方策を模索。今後、子爆弾を持たずGPS(全地球測位システム)によって正確に目標に誘導し、より遠距離から狭い範囲を攻撃するロケット弾などを導入する。
日本は、海岸線から上陸する敵の「着上陸侵攻」を、大量の子爆弾をまくことで「面的に制圧」するため、クラスター爆弾を配備してきた。条約案の採択後、防衛省や自民党内の一部から「廃棄する旧型に代え最新型を導入すべきだ」との声が相次いだ。しかし、現在は着上陸侵攻の可能性が考えにくく、「面的制圧」の効果を疑問視する見方もあり、必要性が低いと判断した。
しかしこの報道はおかしな説明です。条約が定義するところの「最新型」クラスター爆弾とは、実質上、対戦車専用タイプを意味します。将来的に条約の範囲内で対人タイプも出てくる可能性はありますが、現状では存在しません。
「クラスター爆弾、対戦車誘導型以外を全面廃棄へ」
そして対戦車タイプは不発弾による被害を殆ど無視できます。9発の子弾に自爆装置が取り付けられている場合、自爆装置無しの通常爆弾と比べて不発弾の発生数はむしろ低くなるでしょう。さらに子弾が自己鍛造弾頭である場合、空中で起爆する為にそもそも不発になる可能性は非常に低いと言えます。だからこそ条約で「最新型」は例外扱いされています。実質上の被害が少ないからこそ規制の対象外とされています。地雷とて、対人地雷は禁止されても対戦車地雷は禁止されていません。
それでは何故、自衛隊は「最新型」の調達を当面見送ったのか・・・これは単純に予算面の都合と、条約の条件に合致する適当なものが見当たらなかった事、そして対戦車専用では対人攻撃や物資集積場(橋頭保や兵站拠点)への攻撃に向いていない為です。最大の要因は予算です。通常のクラスター爆弾の最大の利点は「一発あたりが安い割に広い面積を攻撃できる」であったのに対し、対戦車専用タイプは子弾の全てに誘導装置が必要で、単弾頭誘導型よりも高価になり、調達予算が嵩む為です。
ですからもし日本政府が「人道面を考慮して最新型の導入も見送った」と説明したのであれば、それはクラスター爆弾に反対してきたNGOやマスコミに対するリップサービスであると同時に、例外規定を設けたヨーロッパ諸国への厭味なのでしょう。
また『「面的制圧」の効果を疑問視する声』が記事中で紹介されていますが、そもそも「最新型」クラスター弾は面制圧ができませんし、そのような目的では設計されていません。だから「最新型」を導入したところで面制圧能力は失われます。通常型クラスター弾の持つ面制圧能力をそのまま代替するには、多数の単弾頭をバラ撒くか、核攻撃以外に方法は無く(燃料気化弾頭は気象条件で効果が一定しない上、装甲兵器には効果が無い)、もうクラスター弾を廃棄すると決めた以上は面制圧を捨てて、目標を的確に絞り、誘導弾を叩き込む戦術に転換する以外にありません。
自衛隊のこれまで想定していたクラスター爆弾の使用方法は、上陸直後の敵が海岸線付近の橋頭保で密集している所を、少ない手数で一網打尽に打撃を与えるという想定です。移動中の敵機甲部隊を攻撃するものではありません。止まっている敵の補給拠点を叩く目的です。そして敵の激しい妨害を掻い潜って攻撃する以上、攻撃に成功する数は少ないので、一発でも送り込めたら面を制圧できる兵器が必要でした。
この説明で分かるとおり、条約の除外する「最新型」クラスター爆弾は自衛隊の想定していた使用方法とまるで合いません。対戦車専用では橋頭保を叩くのに向いておらず、面制圧にもならないので、代替兵器とは成り得ません。「最新型」については将来、対戦車攻撃用に少量を導入するならば検討されるでしょうが、当面は特に必要が無いという判断が働いたのでしょう。高価な上に汎用性が無い為、大量導入はそもそも出来ません。
そこでクラスター爆弾の代替兵器は、誘導装置が付いた単弾頭の兵器、それもなるべく単価を安く調達できるもの・・・この条件に合致するものがGPS誘導兵器です。GPS誘導兵器は安価である為、イラク戦争では使用された爆弾の8割が誘導爆弾となるほど普及しました。GPS誘導兵器の無かった湾岸戦争では、誘導兵器の使用率は実は1割程度のものでした。
同時に条約の規制による影響を「極小化」する方策を模索。今後、子爆弾を持たずGPS(全地球測位システム)によって正確に目標に誘導し、より遠距離から狭い範囲を攻撃するロケット弾などを導入する。
この毎日新聞の記述は、「ロケット弾」とあることからMLRS用の弾薬であることを示唆しています。航空自衛隊のクラスター爆弾代替兵器については、JDAMなどの誘導爆弾で決まっていますが、陸上自衛隊のMLRS用M26クラスター弾頭の代替計画は、これまで出ている情報ではM26を無誘導の単弾頭ロケット弾に改造する方針が伝えられているのみでした。しかし今回の毎日新聞の報道が確かであるならば、この改造でGPS誘導ユニットを追加するのか、或いはアメリカからGMLRS用のM31単弾頭(GPS誘導)を導入する計画が持ち上がっていることを意味します。記事には「より遠距離から」とあるので、M26の2.5倍の射程を持つM31である可能性が高いと言えます。
「どのみちMLRSクラスター弾頭型は廃棄される方向にあった」
「MLRS単弾頭M31ロケット弾の実戦動画」
M26改造案にしろM31導入にしろ、GPS誘導ならば座標データを弾頭に入力する必要があるため、M270発射器を改修する必要があり、A1仕様以上、現在だとB1仕様になると思いますが、MLRS→GMLRSへのシステム改修費用が発生します。
M26の2.5倍もの射程を持つM31ならば、敵橋頭保へ砲撃をおこなうチャンスが倍増する為、GPS誘導による精密攻撃能力と合わせ、クラスター弾廃棄で面制圧能力を失った事へのマイナスを十分に補えるものと思います。問題は結局予算で、これから新型戦車も導入しなければならないのに、大変な話です。
作者:JSF
更新日:2008年11月22日 22時59分
海上自衛隊がJFTM-2で失敗、SM-3命中せず
海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」がハワイ沖で行ったスタンダードSM-3による弾道ミサイル標的射撃訓練「JFTM-2」で、目標の迎撃に失敗しました。
迎撃ミサイルは途中まで正常に作動していましたが、命中の僅か数秒前に赤外線シーカーが目標をロスト、最後の最後で外しました。原因については究明中で、シーカーの不具合が発生したのではないかと疑われています。今回の試験は標的ミサイルの発射時刻を知らせない実戦形式で行われました。発射時刻を知らせない実戦形式の実験はこれまでずっとアメリカ側では成功し続けていますが、つい最近の11月1日、アメリカ海軍の「パシフィック・ブリッツ」演習(SM-3の試験はミサイル防衛局から海軍に移管)でUSSホッパーがSM-3による迎撃に失敗(ただし同時に行われたUSSポール・ハミルトンによる迎撃は成功)しており、嫌な予感はしていたのですが・・・
Navy Intercepts Ballistic Missile Target in Fleet Exercise Pacific Blitz
Upon detecting and tracking the target, USS Paul Hamilton, launched a SM-3 missile, resulting in a direct-hit intercept. Following USS Paul Hamilton’s engagement, PMRF launched another target. USS Hopper successfully detected, tracked and engaged the target. The SM-3 followed a nominal trajectory, however intercept was not achieved. Extensive analysis of the flight mission will be used to improve the deployed Aegis BMD system. The Aegis Ballistic Missile Defense (BMD) flight record is 16 of 19 intercepts.
今回の失敗を含めて、イージスBMDによる迎撃実験成功率は日米通算で80%です。
Aegis Ballistic Missile Defense Testing : PDF
MDA(ミサイル防衛局)によると、人工衛星撃墜の件もカウントしているようです。
防衛省側によると、「ちょうかい」が行ったのはミサイルの開発実験ではなく射撃手順を確認する為の訓練であり、それについては目的を達成しているので、無駄ではなかったと言っています。開発実験だとしても失敗は成功の元ではありますが、今回の場合、原因が仮に赤外線シーカーの不具合であるならば、「ちょうかい」側に落ち度はありません。つまり終末誘導装置の不具合であるならば、発射時刻を知らせなかった実戦形式が失敗の原因ではないわけです。SM-3の日米共同開発では将来、このシーカー部分の開発担当を日本側で行う事になります。次は自分達の責任でやる事になるでしょう。日米共同開発で行うスタンダードSM-3の本命は、直径拡大型のSM-3Block2Aと、その多弾頭型Block2Bです。
「日本、多弾頭迎撃体MDシステムの導入決定」
多弾頭タイプなら1個や2個の不具合があっても無問題です。相手の囮弾頭、MIRVを含めても、数で圧倒できます。
現在、MKV-LとMKV-Rという2種類の多弾頭型MD開発計画があるのですが、MKV-LはまるでガンダムZZに出て来たゲーマルクの「マザー・ファンネル&チルド・ファンネル」方式のような親子構造で、とうとう現実がアニメに近付きつつあるという感じです。
今回の海上自衛隊「ちょうかい」の失敗で、米海軍「ホッパー」の失敗と続き2連続でイージスBMDが迎撃試験に失敗した事になります。ここずっと成功し続けていただけに残念なのですが、失敗することもまたテストの内と考えて、不具合の解消に全力を尽くして欲しいと思います。
次期アメリカ大統領オバマ政権は、恐らくミサイル防衛を存続させる事でしょう。現在、オバマ次期大統領は次期政権の国防長官にゲーツ長官の留任を要望しています。ゲーツ長官はつい最近、ロシアに対し東欧ミサイル防衛配備計画の白紙撤回を明確に拒否しました。またゲーツ長官の次に国防長官候補となっているダンジク元海軍長官も最近、米本土防衛用ミサイル防衛(GBIのこと)を価値ある地域にも配備しなければならないとの認識を示し、東欧MDに積極的です。
Why Obama Will Continue Star Wars - TIME
But even in a Democratic-run Pentagon the push for missile defense is going to continue. If Obama keeps Defense Secretary Robert Gates on, as some advisers are arguing he should, that would come as no surprise. "Russia has nothing to fear from a defensive missile shield," Gates said Thursday as he argued for extending the system to Europe. The current plan is to place 10 missile interceptors in Poland and a missile-tracking radar in the Czech Republic by 2014. It's strongly opposed by Russia, which views it as an unwelcome military threat in a region where it has always been pre-eminent. The other leading contender for the Pentagon post is Richard Danzig, a Clinton Navy secretary, who recently told reporters that the Obama team has "a strong view that national missile defense is a rewarding area and should be invested in."
どちらが国防長官になっても、ミサイル防衛は生き残るでしょう。幾つかの採算に合わない計画は中止されるでしょうが、根幹はそのまま残ります。
作者:JSF
更新日:2008年11月20日 23時45分
MD実験の標的ミサイル移動発射台となったUSSトリポリ
ハワイで行われている弾道ミサイル防衛システムの開発実験で、退役したヘリコプター揚陸艦「USS トリポリ」が標的ミサイルの移動式海上発射プラットホームとして利用されています。この事は9月に「UAEがMDシステムTHAADを購入予定」で最後に触れましたが、実際に標的の弾道ミサイルを発射している様子をミサイル防衛局のProgram Imagesより紹介しておきます。
退役艦を発射台として使っている理由は、カウアイ島の地上にある標的ミサイル発射台が手狭なのと、曳航して海上を移動することの出来る発射台ならば、発射地点を自由に設置できるという利点がある為です。これにより脅威方位角多様性をテストに組み込み、標的ミサイルが何処から飛んでくるか分からない状況を作り出せます。最近、USSトリポリはサンフランシスコに帰ってきています。冬の間はハワイを離れ、春になったらまたハワイ近海で使用される予定です。
Ballistic Missile Defense Ship, the Former U.S.S. Tripoli, Comes Home : The San Francisco Citizen
実はUSSトリポリは2年前からこの用途に転用されています。
作者:JSF
更新日:2008年11月20日 2時33分
ぶっちゃけ過ぎた「空母が欲しい理由」
中国が空母の建造を目指している、というのは取り立てて珍しい情報でもないですが、将官クラスの談話としてはあまりにぶっちゃけ過ぎた内容で・・・中国国防省外事弁公室の主任、銭利華少将の談話です。
初の空母建造を示唆、防衛目的と 中国国防省の高官 - CNN
同少将は、問題は空母を保持するかどうかではなく、何に使うかだとも強調、空母を持つのは軍事大国の夢だとも主張した。
「空母が欲しい」とは子供が高価なオモチャを欲しがるのと同じです、と認めちゃったよ。イヤイヤそこは恥ずかしいから人前では言うのを控えるものなんですが・・・英FT氏のインタビューで銭利華少将(Major General Qian Lihua)が答えた所によると、問題の発言部分はこのような感じです。
"The navy of any great power... has the dream to have one or more aircraft carriers,"
見えを張って空母を買ったはいいが、マトモに運用できていないタイ海軍のように、実はこういう理由で空母を欲しがる国って意外と多いかもしれないですね。銭利華少将によると中国の空母は沿岸防御目的だそうですが、それなら基地航空隊と潜水艦を増強した方がコスト的、戦力的にも優位です。だからこそ空母を欲しがる理由は「力の象徴」という精神的な意味合いと、結局の所は遠隔地へのパワープロジェクションが可能な装備を欲しているのでしょう。後者については少将は「空母を防御目的で1~2隻程度持つ国と、10個以上の空母を持つ大国(そのような国はアメリカのみ)とは違う」と否定していますが、それは言い訳の理由にはならないです。例えばイギリスは今後保有する空母を2隻体制で遠征用として使う予定であり、英本土防御目的ではありません。1~2隻の数だからといって自国防御用だ、海外遠征用ではないとする根拠には、ならないでしょうね。
中国、初の空母戦闘群の建造着手か…香港紙報道
この専門家の証言によると、建造中の空母はディーゼルエンジンによる通常推進型で、米国の原子力空母よりは規模が小さく、搭載機は60機程度。4年後には就役し、海賊行為が相次いでいる南シナ海を管轄する「南海艦隊」に配属され、中国の原油輸送ルートを警護する任務に当たる。
海賊ではなくインド海軍の空母と睨み合う羽目になるわけですね。4年後というとちょうどインド向けにロシアで改修作業中の空母「ヴィクラマーディティヤ」が引き渡される予定です。しかし中国の空母が本当に4年後に出てくるかというとちょっと疑問でして、また60機搭載となると結構大きいですし、ディーゼルエンジンという選択もよく分からないです。カタパルトを積まないのであろうことは分かりますが・・・
大連、5万馬力クラスの船舶ディーゼルエンジン製造: 新華網 2007/07/02
中国は5万馬力クラスの船舶用ディーゼルエンジンを国産可能です。これを4基積めば5万トンクラスの空母を30ノット超で走らせる事が出来ます。ですが、ディーゼルエンジンの空母というと速度の遅い護衛空母ぐらいしか過去に例が無く、蒸気タービンでもガスタービンでもない理由がよく分かりません。完成してみたら低速の強襲揚陸艦だったというオチは・・・Su-33を艦載機として欲しがっている様子から有り得ないでしょうけれど。
作者:JSF
更新日:2008年11月19日 23時38分
欧米に見捨てられ始めたサーカシビリ
グルジアでの戦争が起こった直後、欧米のメディアはロシアに批判的でグルジアに同情的でした。グルジアのサーカシビリ大統領は悲劇の主人公のような扱いでしたが、その後、何人かの識者はサーカシビリは愚か者だったと切って捨て始めましたが、メディアの全体的な論調はまだ同情的な空気が支配的でした。しかし・・・最近になって流れが変わりつつあります。
BBCによるグルジア軍の戦争犯罪の検証 1‐ニコニコ動画
2008年10月28日、BBCのニュース番組「News night」で放映された第2次南オセチア紛争についてのドキュメンタリー。BBCが南オセチアで独自に行った取材と停戦直後にこの地に立ち入った人権団体の情報をもとに、事実上、グルジア軍による残虐行為があったことを認める内容となっています。まあ、西側メディアのこれまでのグルジア一辺倒の報道の方が不自然だったわけですが、それがいきなり姿勢を変えたというのは、実はサアカシュヴィリに対する「用済みフラグ」ではないか?との話もあります。しかし、日本のマスコミからスルーされてるのは何故なんでしょう?
BBCによるグルジア軍の戦争犯罪の検証 2‐ニコニコ動画
続きです。イギリスでこの番組が放映されたその当日に、グルジア大統領サアカシュヴィリは首相を解任。その何日か後には軍の参謀総長を更迭。どうやら敗戦や戦争犯罪の責任を全て彼らに押し付けることで、政権を維持する腹積もりのようです。しかし、この「戦争犯罪」の件は欧米メディアの各所に飛び火しつつあるようなので、日本のメディアでも、その内言及されるかもしれません。果たして最大のパトロンであったブッシュや共和党ネオコンの面々が退場した後の、サアカシュヴィリの運命やいかに?
次期オバマ政権のブレーンには民主党タカ派で反ロシア最強硬派のブレジンスキーが居ますが、果たしてサーカシビリの新たなパトロンとなるのかどうか・・・無能な味方は要らないと相手にされなかった場合は、サーカシビリ終了のお知らせです。
「ロシアの侵攻準備、盗聴で察知し先手」グルジアが説明 (朝日新聞 9/17)
【トビリシ=喜田尚】8月のロシアとの軍事衝突のきっかけとなったグルジア軍による南オセチア自治州進攻について、グルジア政府が自治州の親ロシア分離派政府兵士の携帯電話の盗聴記録から「ロシア軍がグルジアへの侵攻態勢を整えた」と判断して先手を打った、と欧米諸国に説明していることが分かった。サアカシュビリ大統領も16日の記者会見で認めた。
軍事衝突はグルジア軍が自治州の制圧を目指して進攻し、ロシア側が反攻に出たとされるが、グルジア軍が突然自治州に攻め入った理由については不明な点が多い。武力行使を命じたサアカシュビリ大統領の判断を疑問視する声が欧米諸国にもあり、大統領は説明を迫られていた。
もうこの辺りから説明が苦しくなっています。開戦の決断がよりにもよって「敵兵士の雑談」ですか・・・この程度の理由で先制予防攻撃が許されるなら、例えるならイラク戦争の開戦判断も問題が無かったことになります。
グルジア大統領が国連演説 領土保全で「降伏しない」 (共同通信 9/27)
各国に対し「(国連憲章の)原則のために立ち上がるのか、それとも戦車の下で人が押しつぶされるのを許すのか」と問い掛け、グルジアへの支持を求めた。
国連憲章の原則に照らし合わせると、真っ先にグルジアの開戦行為が問われるわけですが・・・・
グルジア:開戦責任問う声強まる 反露結束に亀裂 (毎日新聞 10/16)
8月8日の軍事衝突後、首都トビリシでは連日、数万人の市民が反ロシアデモを繰り広げた。親欧米派の大統領は求心力を高め、戦闘終結後は「我々はロシアに勝った」と宣言した。しかし、ロシアがグルジアからの独立を主張する南オセチアとアブハジアを国家承認したことを受け、グルジア国内には「両地域を事実上失った」との敗北感が漂う。
今月1日、ブルジャナゼ前国会議長は今回の紛争に関する「43項目の質問状」を政府に突きつけた。「ロシア軍との軍事衝突はなぜ避けられなかったのか」「だれが紛争の政治的、軍事的、経済的結果に責任を負うのか」など政府を厳しく追及している。ブルジャナゼ氏は03年の民主化運動「バラ革命」で大統領になったサーカシビリ氏と共闘した盟友だが、強権的な政治手法を取る同氏への批判を強め、今年4月に与党を離党。現在は政策シンクタンク代表の立場で、ロシアとの対話再開を求める。
欧米メディアはブルジャナゼ氏を次期大統領の有力候補に挙げる。米国は11月の米大統領選後を見越し、これまでのサーカシビリ氏に代わって、ブルジャナゼ氏の後ろ盾になったとの観測もある。
サーカシビリ、下手したら吊るされるなぁ・・・なんでこの男はあのタイミングで大規模攻勢を仕掛けたのでしょう? 本気で勝てると勘違いしたのであれば、戦争責任を負うことになります。
プーチンに吊るされるのではなく、自国民によって吊るし上げられるとしたら・・・何処の国が亡命を受け入れてくれるのでしょうね。
作者:JSF
更新日:2008年11月18日 23時21分